(1)【ファンダメンタルズ】「セグウィット」適用確定後、価格が高騰
9日、ビットコインにセグウィット(Segwit=Segeregated Witness)という取引処理能力向上のための技術施策が適用されることが確定しました。
これまでも何度か本メルマガで取り上げてきましたが、セグウィットが適用されるとビットコインの支払い機能の利便性が飛躍的に高まることが期待されています。
現状10分ほどかかる取引の承認時間が1秒以内になり、1円以下の超少額支払いや、それを可能にするごく少額の取引手数料などが可能となるとされています。
この技術適用が確かなものとなったことが、価格上昇に影響したと見られます。
今後、セグウィット関連で動きが出るのは23日前後です。
今度は、セグウィットのプログラムがビットコイン上で実際に有効化されることになるのがこの日付です。
この前後に市場がどう動意づくのか注目されます。
(2)【テクニカル】「有事のビットコイン買い」か?
足元のBTCは、史上最高値(15日、49万8300円、フィスコ仮想通貨取引所)をつけた後は上値が重くなっています。
高値更新で需給面は良好な一方、心理的な節目でもある50万円を取引所によっては到達したことから、達成感、短期的な上昇に対する過熱感などが意識されている様子です。
仮に調整が入るとすると、8月上旬にもみ合った37-38万円水準が意識されるかもしれません。
BTCが上昇した背景には、ビットコイン・キャッシュ(BCH)の売却代金が流入しているとの声が聞かれるほか、北朝鮮と米国との関係悪化が影響しているとの指摘もあります。
為替市場では、ドルが主要通貨に対して売られた一方、リスク回避の円買いも進みました。
今後は「有事の金買い」ならぬ「有事のビットコイン買い」という言葉がメジャーになるかもしれません。
北朝鮮問題を注視したほうがいいかと思います。
(3)【ビットコイン入門】「ブロックサイズ」をめぐって、11月に再度分岐問題が起こる可能性
8月1日のビットコイン分裂問題は、ビットコインから新たに「ビットコイン・キャッシュ(BCH、BCC)」という異なる仮想通貨が分離する形で収束しましたが、今後は11月に、再びビットコインが複数に分かれる可能性があります。
その場合、また価格に影響する可能性があることを念頭に入れていただきたいと思います。
この分裂の理由は、ビットコインの「ブロックサイズ」を変更するか否かで、コミュニティの意見が割れているためです。
そこで本稿では、ブロックサイズについて簡単にご説明します。
ビットコインの発行プロセスには、マイナー(採掘者)と呼ばれる参加者が不可欠です。
マイナーは取引履歴を約10分に1回「ブロック」と呼ばれる形に格納するためのデータ処理作業を、多大な電気代を消費しながら競争し合って行います。
この作業がマイニング(採掘)と呼ばれ、競争に勝って最速で処理を完了したマイナーには報酬として12.5ビットコインが付与されます。
また、マイナーはブロックのビットコイン取引手数料も得られます。
これがビットコインの発行・取引処理の過程を支えるプロセスです。
この1ブロックのデータ許容上限(「ブロックサイズ」といいます)は現行1MBですが、Segwit2xという一派はこれを最大で8MBにまで拡張するための仕様変更を11月に行う予定であると発表しています。
これに対して、Bitcoin Coreというビットコイン創成期から開発を担ってきた一派はセグウィットを導入することでブロックサイズは1MBのまま取引処理能力を高めることを主張しています。
この膠着状態から、Bitcoin Core側は2018年8月1日までSegwit2xとの接続を打ち切るという対応を7日に行いました。
現状ではBitcoin Coreを支持するノード(ビットコイン・ネットワークの参加者)が5729であるのに対してSegwit2xを支持するノードは155にとどまっているため、この決断は多数であるうちに互換性を切ってしまったBitcoin Core側に有利な状態になっています。
ただし、Segwit2x側も仕様変更を行うという予定を変更しない姿勢を示しているため、このままいけばビットコインがまたふたつに分かれるリスクがあることには変わりありません。
ブロックサイズをめぐって対立が起こる理由は、マイナーの利益に影響するためです。
セグウィットが導入されると、将来的にマイナーが得られる取引手数料が大きく減少することが予想されます。
ビットコインをマイニングすることで得られる報酬は約4年に1度ずつ半減していくよう設定されているので、今後ますますマイナーにとっては取引手数料の額は重要になってきます。
ブロックサイズを大きくすることは、マイナーが得られる取引手数料がその分上がることを意味するため、このような対立が起こるのです。
なお、ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。
投資は自己責任でお願いします。
(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)
9日、ビットコインにセグウィット(Segwit=Segeregated Witness)という取引処理能力向上のための技術施策が適用されることが確定しました。
これまでも何度か本メルマガで取り上げてきましたが、セグウィットが適用されるとビットコインの支払い機能の利便性が飛躍的に高まることが期待されています。
現状10分ほどかかる取引の承認時間が1秒以内になり、1円以下の超少額支払いや、それを可能にするごく少額の取引手数料などが可能となるとされています。
この技術適用が確かなものとなったことが、価格上昇に影響したと見られます。
今後、セグウィット関連で動きが出るのは23日前後です。
今度は、セグウィットのプログラムがビットコイン上で実際に有効化されることになるのがこの日付です。
この前後に市場がどう動意づくのか注目されます。
(2)【テクニカル】「有事のビットコイン買い」か?
足元のBTCは、史上最高値(15日、49万8300円、フィスコ仮想通貨取引所)をつけた後は上値が重くなっています。
高値更新で需給面は良好な一方、心理的な節目でもある50万円を取引所によっては到達したことから、達成感、短期的な上昇に対する過熱感などが意識されている様子です。
仮に調整が入るとすると、8月上旬にもみ合った37-38万円水準が意識されるかもしれません。
BTCが上昇した背景には、ビットコイン・キャッシュ(BCH)の売却代金が流入しているとの声が聞かれるほか、北朝鮮と米国との関係悪化が影響しているとの指摘もあります。
為替市場では、ドルが主要通貨に対して売られた一方、リスク回避の円買いも進みました。
今後は「有事の金買い」ならぬ「有事のビットコイン買い」という言葉がメジャーになるかもしれません。
北朝鮮問題を注視したほうがいいかと思います。
(3)【ビットコイン入門】「ブロックサイズ」をめぐって、11月に再度分岐問題が起こる可能性
8月1日のビットコイン分裂問題は、ビットコインから新たに「ビットコイン・キャッシュ(BCH、BCC)」という異なる仮想通貨が分離する形で収束しましたが、今後は11月に、再びビットコインが複数に分かれる可能性があります。
その場合、また価格に影響する可能性があることを念頭に入れていただきたいと思います。
この分裂の理由は、ビットコインの「ブロックサイズ」を変更するか否かで、コミュニティの意見が割れているためです。
そこで本稿では、ブロックサイズについて簡単にご説明します。
ビットコインの発行プロセスには、マイナー(採掘者)と呼ばれる参加者が不可欠です。
マイナーは取引履歴を約10分に1回「ブロック」と呼ばれる形に格納するためのデータ処理作業を、多大な電気代を消費しながら競争し合って行います。
この作業がマイニング(採掘)と呼ばれ、競争に勝って最速で処理を完了したマイナーには報酬として12.5ビットコインが付与されます。
また、マイナーはブロックのビットコイン取引手数料も得られます。
これがビットコインの発行・取引処理の過程を支えるプロセスです。
この1ブロックのデータ許容上限(「ブロックサイズ」といいます)は現行1MBですが、Segwit2xという一派はこれを最大で8MBにまで拡張するための仕様変更を11月に行う予定であると発表しています。
これに対して、Bitcoin Coreというビットコイン創成期から開発を担ってきた一派はセグウィットを導入することでブロックサイズは1MBのまま取引処理能力を高めることを主張しています。
この膠着状態から、Bitcoin Core側は2018年8月1日までSegwit2xとの接続を打ち切るという対応を7日に行いました。
現状ではBitcoin Coreを支持するノード(ビットコイン・ネットワークの参加者)が5729であるのに対してSegwit2xを支持するノードは155にとどまっているため、この決断は多数であるうちに互換性を切ってしまったBitcoin Core側に有利な状態になっています。
ただし、Segwit2x側も仕様変更を行うという予定を変更しない姿勢を示しているため、このままいけばビットコインがまたふたつに分かれるリスクがあることには変わりありません。
ブロックサイズをめぐって対立が起こる理由は、マイナーの利益に影響するためです。
セグウィットが導入されると、将来的にマイナーが得られる取引手数料が大きく減少することが予想されます。
ビットコインをマイニングすることで得られる報酬は約4年に1度ずつ半減していくよう設定されているので、今後ますますマイナーにとっては取引手数料の額は重要になってきます。
ブロックサイズを大きくすることは、マイナーが得られる取引手数料がその分上がることを意味するため、このような対立が起こるのです。
なお、ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。
投資は自己責任でお願いします。
(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)