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イード Research Memo(4):2018年6月期業績は期初計画を据え置くも、3期ぶりに増益に転じる見通し

発行済 2018-03-20 15:21
更新済 2018-03-20 15:33
イード Research Memo(4):2018年6月期業績は期初計画を据え置くも、3期ぶりに増益に転じる見通し
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■業績動向

2. 2018年6月期の業績見通し
イード (T:6038)の2018年6月期は売上高で前期比横ばいの4,401百万円、営業利益で同26.1%増の110百万円、経常利益で同22.0%増の110百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で50百万円(前期は437百万円の損失)と期初計画を据え置いた。
第2四半期までで通期の利益を超過しているが、例年、第4四半期は不需要期で収益が落ち込むこともあり、通期業績の見込みがほぼ固まった段階で修正が必要であれば発表することになる。


足元の状況で見れば、CMP事業においては月間PV数が2017年12月に前年同月比横ばい水準まで回復しており、年明けも堅調に推移する見通し。
一方、CMS事業も引き続きリサーチ、ECソリューションともに下期も堅調推移が見込まれる。
下期は人材投資も含めて先行投資を行う予定にしており、半期ベースで見れば上期から若干利益水準が落ちる可能性はあるものの、市場環境が大きく変化しない限りは会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。


Webメディアにおける収益構造転換施策について、同社は以下の取り組みを進めている。


(1) プライベートDMPを活用したデジタルマーケティング支援サービスの強化
同社の主要メディアは自動車やIT、エンターテイメント、教育、セキュリティ等の専門分野に特化したニュースメディアとなっており、アクセスユーザーもこれら業界へ関心度の高い一般消費者や業界関係者となっている。
こうしたWebサイトの特徴を生かして、プライベートDMPを活用した各業界におけるデジタルマーケティング支援サービスの取り組みを進めていく。
既に、大手広告代理店や大手自動車メーカー等と連携した事例も複数出てきており、こうした事例を横展開していく。


(2) 有料セミナーの立ち上げ
有料のセミナー事業を2018年6月期より新たに開始している。
当初は同社が強みを持つ自動車分野からスタートし、軌道に乗ればセキュリティや教育、VR/ARなど市場の関心の高い分野へと展開していく計画となっている。
2018年6月期第2四半期累計の実績として自動車分野で7件の有料セミナー、及び1件の海外視察ツアーを実施している。
セミナーについては自動運転技術、EV、コネクテッド(5G通信)、シェアリングなど5Gモビリティ革命の各テーマを中心に開催、特に、コネクテッドについては通信キャリアも含めて利活用分野への展開に関心を寄せる企業も多く、活況だったという。
また、海外視察ツアーでは中国で売れ筋の電気自動車の試乗会を兼ねた勉強会を実施した。


(3) 有料課金ビジネスの強化
専門性の高いコンテンツや体験を求めるユーザーに対して、有料会員コンテンツを提供していく。
2017年春より開始したアイドルのVRコンテンツ有料配信事業「トキメキメテオ」については4本のコンテンツをリリースした。
VRについては需要が立ち上がりつつあるBtoB分野でのコンテンツ制作などを今後、注力していく方針となっている。
また、ゲーム分野では、コアゲーマー向けメディア「Game*Spark」を2017年7月よりスタート(月額540円)しており、今後も様々なコンテンツの有料化を進めていく計画となっている。


(4) マーケティングオートメーションツールを使った情報発信力の強化
自社開発したマーケティングオートメーションツールを使ってWebメディアの情報発信力の強化や営業力の強化につなげていく。


これら取り組みにより、2018年6月期のCMP事業の売上高、セグメント利益は増収増益に転じる見通しであり、第2四半期までの進捗は計画を上回るペースとなっている。
また、2018年2月には仮想通貨関連のメディア・サービスのローンチも新たに発表している。
仮想通貨やブロックチェーンの発展をサポートしていくビジネスマン向けの業界紙となる「仮想通貨ビジネス総研」、これから仮想通貨への投資を考える初心者向けの情報提供サイト「仮想通貨の先生」に加えて、子会社のエンファクトリーで提供する仮想通貨の確定申告用計算サービス「Coin Tool」の3件をローンチ、また、今後ローンチを予定しているメディアとして、仮想通貨を決済できる店舗をまとめたデータベースサイト「仮想通貨マップ by 30min.」(仮称)がある。
仮想通貨については2017年以降、投資商品として関心が高まっており、今後はPV数増加によるネット広告収入増といった収益貢献が期待される。


一方、CMS事業については足元の受注は堅調に推移しているが、保守的な計画となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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