■アイル (T:3854)の中期成長戦略
1. 3ヶ年中期経営計画
3ヶ年中期経営計画(2018年7月期−2020年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2020年7月期の目標値として売上高10,500百万円、営業利益780百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益520百万円を掲げている。
また中期的には売上高営業利益率10%を目指している。
2. 高付加価値ソリューション提供などに取り組む
重要課題として、(1)営業戦略の強化、(2)開発工程における生産性の向上及びシステム品質の向上、(3)高付加価値ソリューションの提供の3項目を掲げ、以下の重点戦略に取り組んでいる。
(1) 営業戦略の強化
各ビジネスパートナーとの連携の継続的強化及び、基幹システムとWeb商材を連携させたトータルソリューション提案の強化により、リアルとWebの両面から提案を進め、新たな拠点展開も視野に入れて、地域密着による営業展開を推進する。
(2) 開発工程における生産性の向上及びシステム品質の向上
顧客満足を目的としたシステムの生産効率向上のため、現状のプログラムのモジュール化、カスタマイズのテンプレート化、納品前のプログラムテストの強化、システム開発における受託開発要員の増強などに努めることで、顧客満足度と生産性の向上に取り組む。
(3) 高付加価値ソリューションの提供
独自戦略の「CROSS-OVERシナジー」戦略を推進し、サービス・製品を有機的に結合させ、新たに付加価値の高いトータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の確立に取り組む。
3. DX支援のリーディングカンパニーを目指す
さらに同社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。
DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念で、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術によって変革し、新たな価値を創造することである。
そしてブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術も活用した次世代クラウドサービスなどの開発を推進する。
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月、シビラに出資して同社と資本業務提携した。
シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、仮想通貨の導入並びに応用、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組む。
そして2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」にて、シビラが独自開発したブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2)次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」開設
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月本格始動した。
一部を「IT交流スペース」として開放する。
島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。
シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的・高品質で行う。
クラウドにおける最新技術と優れた人材を研究開発に生かすとともに、新たなサービスブランドの発信拠点とすることによって、得意とする業務システム分野への応用を実現していく構想である。
また「アイル松江ラボ」の開設を通じて、島根県内及び島根県外からのUターン・Iターン希望のエンジニア確保を積極的に進めて、サービス強化につなげる狙いもある。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
将来における市場競争力向上に向けた取り組みとしては、業務システム分野においてAI(人工知能)を活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。
「商品生態系」をコンセプトに、基幹業務及びクラウドサービスで培ったノウハウを独自の「CROSS-OVERプラットフォーム」として構築し、「CROSS-OVERシナジー」(基幹システムとクラウドサービスの相互連携)をさらに加速させるべく、AI技術を活用して蓄積されたビッグデータを顧客へとフィードバックするサービスの実現を目指す。
4. 利益率上昇で中期成長期待
新規顧客獲得やユーザーリピート率の高水準維持で取引社数や受注件数は増加基調である。
また品質管理強化による生産性向上効果、ストック型商材比率の上昇効果で利益率が上昇基調である。
規模拡大と利益率上昇で中期成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
1. 3ヶ年中期経営計画
3ヶ年中期経営計画(2018年7月期−2020年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2020年7月期の目標値として売上高10,500百万円、営業利益780百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益520百万円を掲げている。
また中期的には売上高営業利益率10%を目指している。
2. 高付加価値ソリューション提供などに取り組む
重要課題として、(1)営業戦略の強化、(2)開発工程における生産性の向上及びシステム品質の向上、(3)高付加価値ソリューションの提供の3項目を掲げ、以下の重点戦略に取り組んでいる。
(1) 営業戦略の強化
各ビジネスパートナーとの連携の継続的強化及び、基幹システムとWeb商材を連携させたトータルソリューション提案の強化により、リアルとWebの両面から提案を進め、新たな拠点展開も視野に入れて、地域密着による営業展開を推進する。
(2) 開発工程における生産性の向上及びシステム品質の向上
顧客満足を目的としたシステムの生産効率向上のため、現状のプログラムのモジュール化、カスタマイズのテンプレート化、納品前のプログラムテストの強化、システム開発における受託開発要員の増強などに努めることで、顧客満足度と生産性の向上に取り組む。
(3) 高付加価値ソリューションの提供
独自戦略の「CROSS-OVERシナジー」戦略を推進し、サービス・製品を有機的に結合させ、新たに付加価値の高いトータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の確立に取り組む。
3. DX支援のリーディングカンパニーを目指す
さらに同社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。
DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念で、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術によって変革し、新たな価値を創造することである。
そしてブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術も活用した次世代クラウドサービスなどの開発を推進する。
(1) シビラと資本業務提携してブロックチェーン技術を活用
2017年6月、シビラに出資して同社と資本業務提携した。
シビラの独自開発ブロックチェーン技術「Broof」を活用して、クラウドサービスのセキュリティ向上、仮想通貨の導入並びに応用、在庫データのオープン化、企業・店舗・サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画・開発・販売に共同で取り組む。
そして2017年8月には業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」にて、シビラが独自開発したブロックチェーン技術「Broof」の運用を開始している。
(2)次世代クラウド研究開発用オフィス「アイル松江ラボ」開設
次世代クラウド研究開発用オフィスとして島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設し、2017年10月本格始動した。
一部を「IT交流スペース」として開放する。
島根県松江市は、日本で開発されたプログラミング言語としては初めて国際規格に認証された「Ruby(ルビー)」の街を標榜し、エンジニアにとっては聖地とも言える都市の1つである。
シンプルかつ高い生産性・柔軟性を持つプログラミング言語「Ruby」に開発言語を統一することで、既存のクラウドサービス「CROSSシリーズ」次世代版の開発を、より効率的・高品質で行う。
クラウドにおける最新技術と優れた人材を研究開発に生かすとともに、新たなサービスブランドの発信拠点とすることによって、得意とする業務システム分野への応用を実現していく構想である。
また「アイル松江ラボ」の開設を通じて、島根県内及び島根県外からのUターン・Iターン希望のエンジニア確保を積極的に進めて、サービス強化につなげる狙いもある。
(3) AIを活用したサービスなど研究開発に積極投資
将来における市場競争力向上に向けた取り組みとしては、業務システム分野においてAI(人工知能)を活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を推進する。
「商品生態系」をコンセプトに、基幹業務及びクラウドサービスで培ったノウハウを独自の「CROSS-OVERプラットフォーム」として構築し、「CROSS-OVERシナジー」(基幹システムとクラウドサービスの相互連携)をさらに加速させるべく、AI技術を活用して蓄積されたビッグデータを顧客へとフィードバックするサービスの実現を目指す。
4. 利益率上昇で中期成長期待
新規顧客獲得やユーザーリピート率の高水準維持で取引社数や受注件数は増加基調である。
また品質管理強化による生産性向上効果、ストック型商材比率の上昇効果で利益率が上昇基調である。
規模拡大と利益率上昇で中期成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)