先行きが不透明な時の安全な避難所である日本円は、イタリアの支出計画に始まる欧州のさらなる政治不安の中でU.S. ドルインデックスをはじめ、ドルに対して比較的堅調に推移。
USD/JPYのペアは、112.3で午後7時の取引で、前日比0.4%の下落となっている。
ロイター通信は、先週末、欧州委員会がイタリア政府に対し予算案を修正することを求めたと報じている。
報道によると、「世界最大の2兆3000億ユーロ(2兆6500億ドル)の公的債務は、イタリア自体を脆弱にするだけではなく、他のユーロ圏諸国に対しても悪影響を及ぼす発信源になりかねない」としている。
DBSの通貨ストラテジスト、フィリップ・ウィー氏は、「欧州委員会がイタリアに対して過剰な対応を取ると、イタリアとEUの緊張が高まる可能性が高い」と述べた。
一方で「財政基準は政府債務残高のGDP比60%というマーストリヒト条約のルールのため、公的債務を抑えるためイタリアは是正措置計画を提出する必要がある」とウィー氏は付け加えている。
他のEUのニュースでは、英国のEU離脱に関する会談が停滞し、労働党が反対姿勢を明らかにした事でEU離脱の合意を得られない可能性があるという。
ドナルド・トゥスクEU評議会議長は、”合意なしの離脱”のシナリオが「これまで以上に高い」と述べた。
U.S. ドルインデックスは0.1%程度の減少で95.62。
中国人民銀行(PBOC)が前日の6.9444に対して6.9338で人民元基準レートを設定したことから、USD/CNYのペアは0.16%下落している。
豪ドルは、昨日の0.711ドルを上回った後、0.708ドルをつけ0.4%下落した。NZD/USDのペアは0.4%前後で推移している。