ダウ平均は3日連続で上昇した後、木曜日に反落した。利上げペースの鈍化予想を示した11月のFOMC議事録により一時的に上昇したが、市場終了前に反落した。ダウ平均は0.11%安、 S&P 500は0.21%安、ナスダック総合指数 は0.25%安だった。
連邦準備制度理事会(FRB)の議事録は引き続き12月の利上げを示唆したが、利上げの行き過ぎによる景気への影響への懸念が高まっていることが示された。一部のFOMCメンバーは、「現在のFRBの金利が中立的な水準に近い可能性があると指摘し、フェデラルファンド金利のさらなる上昇は、景気拡大を過度に遅らせ、インフレとインフレ期待を下げる可能性がある」と発言していた。
議事録の発表は株式市場の安心感を高めたが、最終的には貿易懸念によって株式市場は下落した。サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、対中強硬派のナバロ国家通商会議(NTC)委員長が、G20で開催されるトランプ大統領と習近平国家主席の会談に出席する。
12月6日の拡大OPEC総会で発表が予想される原油の減産に、ロシアが参加するとの報道により原油価格が上昇したことで、エネルギーセクターも上昇した。
その他、テクノロジーセクターもFANG株に支えられて上昇した。FANGの1つであるネットフリックス(NASDAQ: NFLX)は、カナダの加入者の価格を引き上げる計画を発表し、2%以上上昇した。
決算では、ダラー・ツリー(NASDAQ:DLTR)とアバクロンビー&フィッチ(NYSE:ANF)が、第3四半期の売上と純利益が予想を上回ったことで株価が大きく上昇した。
経済指標では、経済成長に欠かせない個人消費が堅調だったが、中古住宅販売保留とコア個人消費支出価格指数は、エコノミストの予想を下回った。「このインフレ指標は予想より弱く、FRBがここからの利上げペースを遅くするという市場の見方の正しさを少し裏付けている」とCIBCは述べた。