28日、中国工業企業利益の2ヶ月連続減の発表にも関わらず、中国人民元は上昇した。FRBがFOMCでハト派色が濃くなることを織り込み、米ドルは小幅安。
日本時間15時21分時点で、米ドル/人民元は0.1%安の6.7374。28日午前に中国国家統計局(NBS)は12月の中国工業企業利益を発表したが、前年比1.9%減の6808.3億元(1009.4億ドル)であった。
先月11月の工業企業利益は約3年間ぶりに減少し、前年比1.8%減であった。
2018年通年の工業企業利益は10.3%増の6兆6400億元(9863.7億ドル)であり、昨年の21%と比較すると軟調である。
しかし、この軟調な工業企業利益は人民元へ影響を与えていないようだ。
中国人民銀行(PBOC)は本日の対ドル基準値を、昨日の6.7941に対して6.7472に設定した。
一方、ドルインデックスは0.1%安の95.4。
29、30日のFOMCでは、金利を据え置くことが予想されている。FRBは2019年に2回の利上げを実施する予定であったが、過去2ヶ月の間で一部のFRB当局者はハト派色を強めている。このことは、ドルの下押し圧力となっている。
今年1月からすべてのFOMCで記者会見が開くこととなっており、パウエル議長の発言に注目が集まる。
一方、米中通商協議は焦点となるだろう。30日に中国当局はワシントンを訪問し、貿易戦争の終結に向けて米国との通商協議を実施する。
米中両国は3月1日の期限までに合意することを望んでおり、投資家はあらゆる兆候に注目するだろう。もし、期限までに合意に至らなければ、米国は2000億ドル相当の中国製品への関税を10%から25%に引き上げる可能性がある。
他方、米ドル/円は0.2%安の109.34。豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルはそれぞれ0.1%高、0.3%高となっている。