火曜日の人民元は、昨日の大幅安の後わずかに人民元高に振れている。しかし米中貿易戦争の激化への懸念から株式市場が急落した後、市場のセンチメントは依然として脆弱なままである。
オフショア人民元は本格的に市場が立ち上がった2010年以来の最安値となる7.1382を本日一時的につけた。しかし中国人民銀行の基準値が6.9683と予想より人民元高だったことで、 7.0690まで戻った。
オンショア人民元は火曜日に11年ぶりの最安値まで下落し、1ドルあたり7.0699ドルをつけた。
象徴的な動きとして、トランプ大統領が3000億ドルの中国の輸入品に10%の関税を課すと表明後、中国政府は月曜日に2008年後半以来初めて1ドル7元を突破することを許した。
アナリストは、中国のこの決定が、米中貿易戦争で引き下がる意思はなく、すでに世界経済に影響を与えている貿易戦争はここから悪化するだけだというサインだと捉えた。
しかし、火曜日の中国人民銀行の基準値が市場予想よりも人民元高であったため、人民元安の流れは鈍化した。
ムニューシン財務長官は、本日早朝の声明の中で、中国を為替操作国に指定し、中国の不公正な競争を排除するために国際通貨基金(IMF)に働きかけると述べた。
「トランプ大統領はすでに多くの関税で中国に打撃を与えている。為替操作国に指定したことで、彼が他に何ができるか定かではありません。貿易戦争は新たな局面に入りました。次に何が起こるのか非常に不確かです。この種の不確実性は人民元とドルを円に対して弱くします」と外為どっとコム総合研究所調査部長である神田卓也氏は述べた。
市場の混乱と政治的緊張がある時に避難先となる安全通貨の日本円は、ボラティリティが高い中7ヶ月ぶりの高値である105.53円をつけた後106.75円まで戻す場面があった。午後6時22分時点では106.39円となっている。
もう一つの安全通貨であるスイスフランは、今週、ドルに対して約1%上昇した。一時6週間ぶりの高値である0.970フランをつけた後、0.9745となっている。
ユーロ/ドルは0.04%安の1.1198、ドル/ウォンは0.13%安の1215.71となっている。