前日の米国市場は一部製品の関税賦課延期の発表により主要3指数揃って大きく上昇した。ダウ平均株価は372ドルの上昇となっている。
米通商代表部によるとコンピューターや一部の衣料品などについて9月1日の追加関税を12月15日まで延長するとのこと。クリスマス商戦への影響を考慮したとトランプ大統領は述べている。また、米中閣僚級電話会議も開催され、2週間以内に再度行うことが決まった。この突然の米中貿易戦争緩和のニュースを市場は好感し、大きな株価上昇につながった。
米10年債利回りは一時1.707%まで上昇したが、午前11時29分時点では1.676%まで低下している。2年債利回りは1.634%だ。ドル/円は106.28円と円安に振れている。
上海総合指数は0.73%高、韓国総合株価指数は0.89%高、ドル/オフショア人民元 は0.47%高、ドル/ウォンは0.61%高となっている。
午前11時に発表された中国鉱工業生産は4.8%、小売売上高は7.6%といずれも大きく低下した。失業率は5.3%、固定資産投資は5.7%とこちらも悪化している。中国経済指標に貿易戦争の影響が色濃く反映されており、中国経済への懸念が高まる結果となった。
日経平均株価は米国市場の株高を受け大きく上昇して始まったが、中国経済指標の発表後に値を下げ、2万559円となっている。後場は「昨日の貿易戦争一部緩和」と「中国経済指標悪化」という2つの材料の解釈のせめぎ合いだろう。逆にいえば上下どちらにもトレンドが出にくい可能性がある。日本市場ではなかなか消化しきれないだろうから米国市場まで持ち合いとなる可能性が高いだろう。仮に下落したとしても後場の下値は2万450円あたりまでだろう。
本日はドイツGDPなどユーロ圏の経済指標が数多く発表される。中国に続きユーロ圏の経済状況も注目だ。