[ニューヨーク 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが対円で下落し、1週間ぶりの安値を付けたほか、対ユーロでも値下がりした。前日の米供給管理協会(ISM)製造業統計の悪化が尾を引き、経済を巡る懸念が根強く、ドル安、株安、債券高の展開となった。ダウ平均株価は一時500ドル以上急落した。
この日発表された9月のADP全米雇用報告は、民間部門雇用者数が13万5000人増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の14万人増に届かなかった。ただ一部の市場関係者は予想ほど悪い内容ではなかったと指摘した。
オアンダ(トロント)のシニア市場アナリスト、アルフォンソ・エスパーザ氏は「労働市場は米経済の最も大きな支えの一つで、米中貿易戦争の最中でも良く持ちこたえているが、製造業が落ち込み始めていることを考えると、労働市場もガタが来ているのかもしれない」と述べた。週末に発表される雇用統計についてはどういう結果になるのか非常に心配だが、引き続き底堅い数字を予想しているとした。
前日発表の9月のISM製造業景気指数は47.8と、前月の49.1から悪化し、2009年6月以来約10年ぶりの低水準と記録した。指数の低下は6カ月連続で、景気拡大・縮小の節目となる50を2カ月連続で下回った。
ただ市場関係者の多くはドル資産の利回りが高いことや米経済が全般的に好調なことから、ドル安の流れは一時的にとどまると見ている。
ドル/円 は0.6%安の107.39円。一時107.06円まで値下がりした。ユーロ/ドル (EUR=)は0.3%高の1.0959ドル。前日は2年ぶり安値となる1.0877ドルを付ける場面も見られた。主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.1%安の99.014。
豪ドル は0.6700米ドルと横ばい。ポンド/ドル も1.2305ドルとほぼ変わらず。ジョンソン英首相は2日、欧州連合(EU)離脱協定案の最終的な代替策を表明し、EU側が譲歩しなければ、期限を迎える今月末に合意なしで離脱すると言明した。
ドル/円 NY終値 107.17/107.19
始値 107.58
高値 107.60
安値 107.06
ユーロ/ドル NY終値 1.0958/1.0960
始値 1.0920
高値 1.0963
安値 1.0916