[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。対円では4週間ぶり、対ユーロでは1週間ぶりの安値に沈んだ。今週発表された米製造業及び非製造業指標がともに低調な内容となり、米景気減速を示唆するシグナルと受け取られた。
米供給管理協会(ISM)がこの日発表した9月の非製造業総合指数(NMI)は52.6と、2016年8月以来の低水準となった。通商問題の影響が経済の広範な分野に波及している可能性が示唆された。
週初に発表された9月のISM製造業景気指数も47.8に悪化し、09年6月以来約10年ぶりの低水準と記録した。指数の低下は6カ月連続で、景気拡大・縮小の節目となる50を2カ月連続で下回った。
オアンダのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「米主要指標の大半が低下トレンドにあり、景気減速を巡る懸念が確認されつつある」と指摘。「サービス部門では引き続き雇用が増加しているが、堅調なペースでの増加ではない」とし、今後数カ月でサービス部門の悪化による波及効果が顕在化する公算が大きいと述べた。
終盤の取引で、ドル/円は0.3%安の106.88円。ISM非製造業指数の発表直後、4週間ぶりの安値となる106.49円を付ける場面もあった。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.2%安の98.86。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.1%高の1.0969ドル。ISM非製造業指数の発表直後、1週間ぶりの高値となる1.0999ドルを付けた。
ポンド/ドルは0.6%高の1.2365ドル。英保守党の欧州連合(EU)懐疑派議員らが、ジョンソン首相が前日提示したEU離脱協定案の最終代替案について「許容できる合意」が可能との見方を示したことが材料視された。
米景気の今後の先行きについて手掛かりを得ようと、4日発表される9月の米雇用統計が注目される。
今週発表された製造業、非製造業指標が低調となる中、市場に織り込まれた今月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は92.5%と、前日の77%から上昇した。
ドル/円 NY終値 106.90/106.93
始値 107.05
高値 107.11
安値 106.49
ユーロ/ドル NY終値 1.0964/1.0968
始値 1.0955
高値 1.0999
安値 1.0949