先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上昇した。
日経平均は企業業績の底打ち期待から連日で年初来高値を更新したが、高値警戒感も徐々に台頭。
一方でマザーズ指数は前の週に一時840ptを割り込むまで調整していたため、出遅れ感から押し目買いが入った。
ただ、マザーズ売買代金は低迷が続き、売り物が少ないなか少額の買いでリバウンドした感が強い。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.4%であったのに対して、マザーズ指数は+3.0%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。
マザーズ指数は860pt台に位置する25日移動平均線を上回った。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で7.0%高、サンバイオ (T:4592)が同8.5%高、そーせいグループ (T:4565)が同4.2%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調。
サンバイオは外資系証券の新規レーティング付与が観測されている。
売買代金上位ではロゼッタ (T:6182)などが買われ、チームスピリット (T:4397)は大幅高。
また、中村超硬 (T:6166)は「ナノゼオライト」成功認定を材料視した買いが続き、週間のマザーズ上昇率トップとなった。
一方、霞ヶ関キャピタル (T:3498)は利益確定売り優勢で、エディア (T:3935)などが下落率上位に顔を出した。
ジャスダック主力もワークマン (T:7564)が同1.2%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同0.8%高としっかり。
売買代金上位ではUTグループ (T:2146)などが買われた。
また、新興市場にも半導体株高の流れが波及し、栄電子 (T:7567)が週間のジャスダック上昇率トップ。
「量子コンピューター」関連とされる銘柄への関心も高まり、YKT (T:2693)などが大幅高となった。
反面、前の週に上場した浜木綿 (T:7682)は換金売りに押され、ホーブ (T:1382)などが下落率上位に顔を出した。
IPOではインティメート・マージャー (T:7072)が公開価格の約2.1倍となる初値を付けた。
BASE (T:4477)は初値こそ公開価格を下回ったものの、その後の値動きは比較的堅調だった。
今週の新興市場は、決算等を受けた個別物色中心の相場展開となりそうだ。
新興市場でも決算発表が本格化し、物色の手掛かり材料となるだろう。
ただ、東証1部銘柄の値幅が大きくなっているため、個人投資家の関心が新興市場銘柄に向かいにくい状況は続きそうだ。
マザーズ指数が870pt台に位置する75日移動平均線水準まで戻す場面では、目先の利益を確定する売りも出やすいと考えられる。
今週は、10月28日にアンジェス (T:4563)、弁護士ドットコム (T:6027)、29日にセプテーニ・HD (T:4293)、30日にニューフレアテクノロジー (T:6256)、31日にユナイテッド (T:2497)、セリア (T:2782)、ドリコム (T:3793)、santec (T:6777)、ジャパンインベストメントアドバイザー (T:7172)、11月1日に手間いらず (T:2477)、オンコリスバイオファーマ (T:4588)などが決算発表を予定している。
直近ではセプテーニ・HD、手間いらずなどで業績面への評価が高い。
IPO関連では、セルソース (T:4880)など4社が新規上場する。
再生医療関連のバイオベンチャーであるセルソースや、教育融合型人材紹介サービスのジェイック (T:7073)は初値期待が高まっているようだ。
光学シート等を手掛け東証2部上場の恵和 (T:4251)、婦人靴の企画・販売で公開規模がやや大きいダブルエー (T:7683)は穏当な初値形成が見込まれている。