10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
- ■株式見通し:景気敏感株へのシフトを見極めたいところ
- ■ソフトバンクG、2Q純利益が約4.5倍の1兆8832億円
- ■前場の注目材料:スター精密、自動旋盤生産をタイに移管、中国工場の日本向け機種
■景気敏感株へのシフトを見極めたいところ10日の日本株市場はギャップスタート後はやや過熱警戒感が高まりそうである。
9日の米国市場ではNYダウが834ドル高と大幅に上昇する一方で、ナスダックが下落している。
米大統領選の結果に目処がつき不透明感が一段と後退したほか、新型コロナワクチン開発で大きな前進が見られ、実用化期待に景気見通しが大きく改善し寄り付きから大きく上昇。
ハイテク株から景気循環株へのポートフォリオの移行が目立っている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比580円高の25440円。
円相場は1ドル105円30銭台と円安に振れて推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から連日でギャップスタートととなろう。
25000円を一気に上放れてくるため、昨日同様にショートカバーの流れが強まりやすいところ。
また、米国ではNYダウが3万ドルに迫る場面がみられたが、その後は上げ幅を縮めているほか、ナスダックが下げに転じていることもあり、ギャップスタート後は急ピッチの上昇に対する過熱感が意識されてくる可能性がありそうだ。
また、米国では景気敏感株へのシフトが強まっており、この流れからはグロース株への利益確定に対して、相対的に出遅れているバリューシフトが波及してくるかが注目されるところである。
そのため、決算が評価される銘柄においても、これまで強いトレンドを形成している銘柄へはいったん利益を確定させてくる可能性があるだろう。
一方で業績面では手掛けづらいものの、株価水準から割安感が意識されている銘柄においては、見直しの流れに向かう展開も意識される。
米国では新型コロナワクチンに関する報道で物色がシフトした面が大きく、持続性には見極めが必要と考えられるが、日経平均の急ピッチの上昇に対する過熱感が意識されやすい水準でもあるため、割安銘柄を探る流れが正当化されそうである。
もっとも積極的にロングポジションを積み上げてきた上昇ではなく、概ね売り方のショートカバーが中心と考えられるため、押し目待ちの買い意欲は強いと考えられる。
■ソフトバンクG、2Q純利益が約4.5倍の1兆8832億円第2四半期決算を発表。
純利益が前年同期の約4.5倍の1兆8832億円となった。
同期間として過去最高となり、コンセンサス(1兆4485億円程度)を上回った。
4-6月期に資産売却益の計上などで1兆2557億円の最終黒字を確保し、7-9月期は「ビジョン・ファンド」の損益が前年に比べ改善。
また、子会社ソフトバンクの高水準の利益なども寄与した。
売上高はコンセンサスには届かなかったが、経常利益は1兆4414億円とコンセンサス(1兆1200億円程度)を上回った。
■前場の注目材料・日経平均は上昇(24839.84、+514.61)・NYダウは上昇(29157.97、+834.57)・シカゴ日経225先物は上昇(25440、大阪比+580)・1ドル105円30-40銭・原油先物は上昇(40.29、+3.15)・日銀のETF購入・米経済対策への期待・コロナ向けワクチン開発の進展・スター精密 (T:7718)自動旋盤生産をタイに移管、中国工場の日本向け機種・サノヤスHD (T:7022)“祖業”造船撤退、新来島どっくに売却・ソフトバンクG (T:9984)上場AI株へ投資強化、GAFAを本命視・日立 (T:6501)年末年始最大で17連休・りそなHD (T:8308)関西みらいFGを完全子会社化・アンジェス (T:4563)米エメンドバイオ買収、ゲノム編集進出・NTN (T:6472)サーボモーター用軸受の発塵9割削減、産ロボ向け小型化可能・牧野フライス (T:6135)レーザー加工機参入、スイス社技術採用で2機種・コンテック (T:6639)産業用コンピューターの基板開発を台湾に一本化・昭和電工 (T:4004)中国で電材ガス合弁、来年1月営業開始☆前場のイベントスケジュール・10:30 中・10月消費者物価指数(前年比予想:+0.8%、9月:+1.7%)・10:30 中・10月生産者物価指数(前年比予想:-1.9%、9月:-2.1%)
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