ドル/円
午後3時現在 85.41/46 1.3204/08 112.79/82
正午現在 85.50/52 1.3224/27 113.06/11
午前9時現在 85.85/90 1.3220/22 113.51/56
NY17時現在 85.78/82 1.3225/31 113.45/52
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[東京 4日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点
から下落し85円前半で推移している。ドル売りトレンドに乗った下攻めが優勢で、値頃
感からの輸入企業の買いをこなして水準を切り下げ、8カ月ぶり安値を更新した。じりじ
りとしたドル安で過熱感がないことから底打ち感も出にくく、市場は85円割れを視野に
入れている。
前日からのドル売りトレンドが継続し、ドル/円は午後3時までに85.32円まで下
落して8カ月ぶり安値を更新した。トレンドに乗った短期筋の売りが優勢だったという。
ただ、水準感から輸入企業の買いは断続的に入っており「買いも厚いようで、ドルの下げ
ピッチは速くない」(国内銀行)という。
市場の焦点は心理的な節目である85円や、昨年11月安値の84.82円を割り込む
かどうかに移っているが、ドルの下げピッチが緩やかなことから過熱感やオーバーシュー
ト感がなく、市場では「きょう(の海外時間)中にも85円を割り込んでもおかしくない」
(大手銀行)、「84.82円を割り込む可能性もあるが、達成感は出ないだろう」(国
内銀行)などの声が出ている。
市場では、ドル売りトレンド反転への手掛かりが見当たらないとの声が多い。「米雇用
統計までに市場はドルの売り材料を織り込みにいきそうで、ドルはまだ下げ余地がある。
雇用統計で仕切り直しだろうが、連邦公開市場委員会(FOMC)をにらんでまたドル売
りから入るのではないか。85円は通過点である可能性がある」(大手銀行)という。
市場では、政府の介入スタンスの弱さが話題になった。野田財務相は円高進行に対し、
3日の「為替はあくまでマーケットで決まるというのが基本線」とのコメントに続き、き
ょうも「注目して見ている」との発言にとどまった。
市場では「みているだけでは意味がない。何をするかが問題だ。政府の介入はなさそう
だ」(邦銀)との声が聞かれた。市場では「政府の円高警戒感の薄さが意識されており、
政府がスタンスを強めないと円高に歯止めがかからない」(国内銀行)との声が聞かれた
一方で、少し長い目でみれば「今の流れは円高でなくドル安。たとえ日本が口先介入に踏
み切っても影響は乏しいだろう」(大手銀行)との見方も多い。
<米雇用関連3指標の下振れを警戒>
ドル売りトレンドのなかで、市場の関心はきょうから始まる米雇用関連3指標に向かっ
ている。
ロイター予測によると、きょうの7月米ADP全米雇用報告は4万人増、5日の米新規
失業保険申請件数(7月31日までの週)は45万5000件、6日の7月米雇用統計は
非農業部門雇用者数が6万5000人減、民間部門雇用者数が9万人増、失業率が9.6
%の見通し。
日興コーディアル証券為替ストラテジスト、松本圭史氏は「雇用統計を中心に、雇用関
連指標が予想から下振れるようなら8月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)に影響
を与える可能性があるため、警戒している」という。
松本氏によると、ドル売りの背景は米景気と当局対応に対する不透明感。「ドルの水準
ではない。このため、ドル/円も昨年11月の安値(84.82円)をトライする可能性
が十分にある」(松本氏)という。
そして、FOMCもすぐには結論を出さないとみている。「10日のFOMCでは、M
BS償還分の再投資など政策のオプションを検討するにとどまる。結論を出すのは9月
21日のFOMCだろう。それまでは不透明感が続きドル売りトレンドは転換しにくい。
10月はFOMCがないが、臨時会合という可能性もある」(松本氏)とみている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)