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国内株式市場見通し:再び神経質な展開、FOMC議事録に注目

発行済 2022-02-12 15:25
更新済 2022-02-12 15:30
© Reuters.
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■ハイテク・グロース主体に戻り基調

今週の日経平均は週間で256.09円高(+0.93%)と続伸。
週足のローソク足は2週連続で陽線を形成した。
週初こそは191.12円安と反落したが、その後は35.65円高、295.35円高、116.21円高と3日続伸し、週後半にかけて戻りを試す展開となった。


週明け7日は、米1月雇用統計の想定以上の強い結果を受けて金融引き締め懸念が一段と強まるなか、金利上昇が嫌気され、ハイテク・グロース(成長)株に売りが広がった。
8日は、引き続き主要中央銀行による金融引き締めやウクライナ情勢への懸念が根強いなか、朝方の買いが続かず、小幅反発にとどまった。


しかし、その後は、米株高を追い風に買い戻しが進展。
8日の米国市場で10年国債利回りが一時1.97%と、2019年11月以来となる高水準を付けるなかでも、ハイテク・グロースが大幅に上昇したことで安心感が台頭。
これを受けた9日の東京市場でも値がさグロース株を中心に買いが入り、日経平均は大幅に上昇。
午後のトヨタ自動車 (T:7203)の決算を期待した先回り買いなども後押しした。
トヨタの決算発表後には一時伸び悩む場面もあったが、最後まで騰勢を崩さず、終日強い動きを見せた。


10日も、9日の米国市場がハイテク・グロースを中心に大幅続伸したことを追い風に、上昇スタートすると、日経平均は一時27880.70円まで上値を伸ばした。
ただ、米1月消費者物価指数(CPI)の発表を直前に控えるなか、3連休前ということもあり、積極的に買い進む向きは少なく、戻り待ちの売りに押されて伸び悩んだ。
それでも、好決算銘柄などが個別に物色されるなか全体も底堅く推移し、27500円を優に上回って週を終えた。
なお、日経平均オプション2月物の特別清算指数(SQ)値は概算で27835.60円だった。


■地政学リスクやFOMC議事録などを注視

来週の日経平均は波乱含みの展開か。
今週は中盤まで米長期金利が高止まりするなかでも、ハイテク・グロースを中心に非常に強い動きがみられた。


しかし、日本の3連休下、10、11日の米国市場は再び波乱の展開。
米1月CPIが予想を上振れたほか、セントルイス連銀のブラード総裁が7月1日までに合計1%の利上げを支持すると言及し、米10年国債利回りが2019年以来となる2%超えとなるなか、ハイテク・グロースを中心に下落。
さらに、米政府が数日内にロシアがウクライナ侵攻に踏み切る可能性を警告したことで地政学リスクが急速に高まった。
この間、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の225先物は27000円割れとなる場面もあり、週明けの日経平均は下落スタートを強いられるだろう。


一方、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場は6月FOMCまでの合計1%の利上げをほぼ織り込み、3月FOMCでの0.5%引き上げを予想する確率も5割超にまで上昇した。
また、ブラード総裁のタカ派発言後、数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官は大幅な利上げを支持しない考えを示した。
これにより、金融引き締めに対する織り込みはかなり進んだと考えられる。
地政学リスクについても、ロシアはウクライナ侵攻の計画を繰り返し否定している。
両問題について、この先、一段と事態を深刻化させるような報道が伝わらない限りは、株価の大幅下落は週前半で一巡すると予想される。


ただ、サマーズ元米財務長官が、FRBは臨時会合を即時開催し、インフレ抑制への決意を強調するべきだと主張。
実際にこのような展開は想定されにくいものの、有識者からこうしたタカ派的な発言が今後も相次ぐと、相場は神経質に反応しそうなため、注意したい。


16日にはFOMC議事録(1月開催分)が公表予定。
量的引き締め(QT)については依然として開始時期やペースが不透明だ。
1月FOMC後のパウエル議長の会見では、具体的な発言が避けられ、市場のあく抜け期待を裏切る形で相場の深押しに繋がった。
曖昧に終わった議長の記者会見からは得ることのできなかった、金融引き締めペースを巡るヒントを得ようと、市場の注目度は高いとみられる。
内容を見極めるまでは模様眺めの雰囲気が漂いやすいだろう。


■ディフェンシブセクターに物色、米エヌビディアの決算も注目

米金融引き締めや地政学リスクなど懸念事項が多いなか、食料品や医薬品、通信といったディフェンシブセクターへの物色が想定される。
食料品では、コスト増への対応の有無で銘柄選別すべきで、日清食品ホールディングス (T:2897)や味の素 (T:2802)など、値上げ進展が確認されている銘柄やブランド力の強い銘柄が好まれやすいだろう。
そのほか、16日には米国でエヌビディアやアプライド・マテリアルズといった半導体企業の決算が発表予定。
足元の地合いはハイテクに厳しいが、内容と株価反応に注目したい。


■米1月PPI、FOMC議事録など

来週は15日に10-12月期GDP速報値、米2月ニューヨーク連銀景気指数、米1月PPI、16日に中国1月PPI、中国1月CPI、米1月小売売上高、米1月鉱工業生産指数、FOMC議事録(1月開催分)、17日に12月機械受注、1月貿易収支、米1月住宅着工件数、米2月フィラデルフィア連銀景気指数、18日に1月全国消費者物価指数などが発表予定。



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