[9日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は9日、インフレ沈静化を期待できる兆候が出ているとし、連邦準備理事会(FRB)が0.75%ポイントの利上げを決定する公算は小さいとの考えを示した。
ボスティック総裁はロイターがツイッター・スペースで行ったインタビューで、「向こう3─4カ月の経済予想を踏まえると、(0.75%ポイントの利上げが決定される)公算は小さい」と述べた。
供給網の制約問題については「パンデミック(世界的大流行)の間、続いていた課題に緩和の兆しが見え始めた」とし、運送会社は注文を断っておらず、ボトルネックは解消しつつあるようにみえると述べた。
一方、ウクライナ戦争のほか、家計が高インフレに反応して支出を控える可能性など、顕在化していない需要に対する下振れリスクもあるとの見方を示し、「こうした動きがFRBの政策運営と相まって、インフレ率の目標に予想より速く近づく可能性にオープンでありたいと考えている」とし、「その場合、それほど多くのことを行う必要はなくなる」と述べた。
労働市場については、力強い勢いがあると指摘。「企業が人員削減を考えていることを示す兆候が出始めたら、有意なシグナルとなる」と述べた。
労働省が先週発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比42万8000人増と、予想(39万1000人増)を上回った。失業率は3.6%と、前月から横ばいだった。
FRBは3─4日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.50%ポイントの利上げを決定。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、6月と7月の会合でも0.50%ポイントの利上げを決定する用意があると表明した。
ボスティック総裁はこれについて「歴史的な基準からすると、極めて積極的な動きになる」とし、「手綱を引くことでインフレを目標に近づけるために、効果があると期待している」と述べた。