[ブダペスト 16日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は16日、ウクライナ戦争によるエネルギーコストの上昇とインフレの高進に見舞われる欧州に「リセッション(景気後退)の時代」が到来する可能性があると警告した。
4月の選挙で4期目続投を果たし、就任宣誓を行ったオルバン氏は議会で、「エネルギー危機と米国の金利引き上げはいずれも高インフレの時代をもたらした。これら全てがリセッションの時代をもたらすだろう」と述べた。
欧州連合(EU)については、加盟国の主権を押しのけることで「日々その力を乱用している」と述べ、これまで通り強気路線を崩さなかった。ただ、ハンガリーの居場所は今後10年間はEUの中にあると述べた。
また、ハンガリーのエネルギー安全保障にリスクがない限り、ウクライナ侵攻を巡るロシアへのEU制裁を阻止することはないとも述べた。
ハンガリーは他のいくつかの加盟国とともに、EUが提案した現行のロシア産原油に対する制裁を今のところ拒否している。ハンガリー政府は、ロシア産原油をやめるコストを軽減するため、数億ユーロをEUに要求しているという。EUは禁輸を実行するため27カ国全ての同意が必要となる。
オルバン氏は、最近ではLGBTQ(ゲイやレズビアン、トランスジェンダーなど性的少数者)の権利や法の支配の問題など、政策を巡ってEUと衝突を繰り返しているが、ハンガリーが北大西洋条約機構(NATO)に加盟していることの重要性が今ほど明白だったことはないと述べた。
隣国ウクライナでの戦争については「長く続き、ハンガリーにとって永続的な安全保障上の脅威となる」と予想した。
さらに、ハンガリー中央銀行と政府はインフレを抑制するための措置を調整しなければならないだろうと述べた。