[27日 ロイター] - 米半導体大手クアルコムが27日示した第4・四半期(7─9月)の売上高見通しは市場予想を下回った。厳しい経済状況やスマートフォンの需要鈍化が主力の携帯端末向け事業に打撃を与える可能性を反映した。
同社株は引け後の時間外取引で約2.8%下落した。
第4・四半期売上高見通しは110億─118億ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は118億7000万ドルだった。
調整後1株利益は3─3.30ドルの見通し。アナリスト予想は3.23ドル。
アカシュ・パルキワラ最高財務責任者(CFO)は、世界経済を巡る不透明感の高まりと中国の新型コロナウイルス対策の影響で下半期は顧客が製品購入に慎重になると予想した。
ウクライナ危機や中国のロックダウン(都市封鎖)がサプライチェーン(供給網)の混乱を悪化させ、需要に打撃を与えており、スマホメーカーの多くが半導体の発注を減らしている。
クアルコムは今年のスマホ販売の予測を従来の横ばいから5%減に引き下げた。調査会社IDCは出荷台数が3.5%減ると予想している。
クアルコムは売上高の半分以上をアップルのiPhoneやサムスン電子のギャラクシーシリーズなどを含む携帯端末向け部門で稼いでいる。
幹部らは、高級スマホ向け半導体の強化と事業多様化の推進によって、スマホ需要の冷え込みによる影響を相殺する考えを改めて示した。
第3・四半期(4─6月期)決算は調整後売上高が109億3000万ドルで市場予想の108億8000万ドルを上回った。携帯端末向け事業の伸び(59%)が寄与した。クリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)は自動車向け事業の売上高が過去最高に達し、今期も更新する見通しだと述べた。
決算発表とは別に、同社はサムスン電子との特許使用契約を2030年末まで延長したと発表。アモンCEOは安定的な特許料収入の確保に寄与すると述べた。