■要約
すららネット (TYO:3998)の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」及びその姉妹版である「すららドリル」のサービスを提供することである。
「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。
また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)から採択を受けた各種事業等を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を行っている。
契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。
したがって、導入校数と発行ID数が増加すれば収益が増加する。
クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は非常に高い。
1. 2022年12月期第2四半期業績の概要
2022年12月期第2四半期の連結業績※は、売上高1,062百万円、営業利益301百万円、経常利益311百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益206百万円となった。
また、単体ベースでは、売上高1,022百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益305百万円(同17.7%増)、経常利益314百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益214百万円(同6.6%増)であった。
重要指標(KPI)である導入校数(2022年12月期第2四半期末)は2,068(前年同期末比406増)、ID数(同)は251,225(同127,202増)と順調に増加した。
前年同期比では利益もKPIも増加したが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により既存導入塾の通塾生徒数が減少したことにより、期初の社内計画は下回った。
※2022年12月期第1四半期末をみなし取得日としてファンタムスティック(株)を連結子会社化したことに伴い、2022年12月期第1四半期から連結決算。
また、2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、各数値は当該会計基準等を適用した数字となっている。
2. 2022年12月期業績見通し
2022年12月期の連結業績予想※について同社は、売上高2,120百万円、営業利益417百万円、経常利益427百万円、親会社株主に帰属する当期純利益284百万円と下方修正した。
また、単体ベースの売上高は2,037百万円(前期比4.3%増)、営業利益は443百万円(同15.0%減)と予想している。
競争力強化のためのコンテンツの拡充やシステムへの投資を継続して行うことから、期初から減益予想であったが、今回下方修正した理由として同社は、「第2四半期末のID数が社内計画を下回り、学習塾マーケットのID数は前年同期末比で減少したため」と述べている。
しかし現在の予想数値では、下期の営業利益は115百万円(前年同期は261百万円、単体ベース)になってしまう。
下期によほど大きな投資を行うのでなければ、現在の予想はかなり控え目であり、通期での上方修正はあり得ると弊社では見ている。
※2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、業績予想は当該会計基準等を適用した数字となっている。
3. 中長期の見通し
中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。
同社は、中長期経営計画の定量的目標として、2024年12月期に売上高3,400百万円、営業利益970百万円を掲げていた。
しかし、主力のeラーニング事業では、学校マーケットにおける自治体案件は単年契約が多く予測が困難であること、また子会社売上の多くを占める受託開発事業についても、見通しの変動が大きいことなどから、中長期経営計画の数値目標を非開示とすることにした。
■Key Points
・学校や学習塾等に対してのクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業
・2022年12月期は中長期的な成長実現に向けた先行投資継続により減益予想
・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
すららネット (TYO:3998)の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」及びその姉妹版である「すららドリル」のサービスを提供することである。
「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。
また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)から採択を受けた各種事業等を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を行っている。
契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。
したがって、導入校数と発行ID数が増加すれば収益が増加する。
クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は非常に高い。
1. 2022年12月期第2四半期業績の概要
2022年12月期第2四半期の連結業績※は、売上高1,062百万円、営業利益301百万円、経常利益311百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益206百万円となった。
また、単体ベースでは、売上高1,022百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益305百万円(同17.7%増)、経常利益314百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益214百万円(同6.6%増)であった。
重要指標(KPI)である導入校数(2022年12月期第2四半期末)は2,068(前年同期末比406増)、ID数(同)は251,225(同127,202増)と順調に増加した。
前年同期比では利益もKPIも増加したが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により既存導入塾の通塾生徒数が減少したことにより、期初の社内計画は下回った。
※2022年12月期第1四半期末をみなし取得日としてファンタムスティック(株)を連結子会社化したことに伴い、2022年12月期第1四半期から連結決算。
また、2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、各数値は当該会計基準等を適用した数字となっている。
2. 2022年12月期業績見通し
2022年12月期の連結業績予想※について同社は、売上高2,120百万円、営業利益417百万円、経常利益427百万円、親会社株主に帰属する当期純利益284百万円と下方修正した。
また、単体ベースの売上高は2,037百万円(前期比4.3%増)、営業利益は443百万円(同15.0%減)と予想している。
競争力強化のためのコンテンツの拡充やシステムへの投資を継続して行うことから、期初から減益予想であったが、今回下方修正した理由として同社は、「第2四半期末のID数が社内計画を下回り、学習塾マーケットのID数は前年同期末比で減少したため」と述べている。
しかし現在の予想数値では、下期の営業利益は115百万円(前年同期は261百万円、単体ベース)になってしまう。
下期によほど大きな投資を行うのでなければ、現在の予想はかなり控え目であり、通期での上方修正はあり得ると弊社では見ている。
※2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、業績予想は当該会計基準等を適用した数字となっている。
3. 中長期の見通し
中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。
同社は、中長期経営計画の定量的目標として、2024年12月期に売上高3,400百万円、営業利益970百万円を掲げていた。
しかし、主力のeラーニング事業では、学校マーケットにおける自治体案件は単年契約が多く予測が困難であること、また子会社売上の多くを占める受託開発事業についても、見通しの変動が大きいことなどから、中長期経営計画の数値目標を非開示とすることにした。
■Key Points
・学校や学習塾等に対してのクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業
・2022年12月期は中長期的な成長実現に向けた先行投資継続により減益予想
・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)