[4日 ロイター] - 米ニューヨーク(NY)連銀の市場部門責任者、ミシェル・ニール氏は4日、「デジタルドル」と呼ばれる中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、為替取引の決済時間を短縮するのに有望だと連銀は認識していると述べた。
CBDCに関して何らかの差し迫った動きがあるとは述べなかったが、連銀の研究でCBDCが金融システムの主要部分にどのような恩恵をもたらし得るのかが特定できたと説明した。シンガポールでの発言原稿が公表された。
原稿で同氏は、外国為替のスポット取引は越境決済において重要で、より長期で複雑な取引の基礎をなしているとした上で、こうした取引の決済には2日程度かかるため「改善の余地がある」と指摘した。
一方、デジタルドルの研究では平均10秒未満で決済が可能であることが示されたと明らかにした。
NY連銀のニューヨーク・イノベーション・センターのディレクター、ペール・フォン・ゼロウィッツ氏は、ニール氏の発言後にNY連銀が発表した報告書で、第1段階の取り組みによって「重要な決済インフラの近代化におけるブロックチェーン技術の有望な応用が明らかになったほか、米国から見た貨幣と決済の将来に関するさらなる研究開発への戦略的発射台を提供した」との見解を示した。
一方で、報告書では、今回の発見は完全なCBDC導入を示唆するものではなく、「特定の政策結果の進展を意図していない」とした。