[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場終盤(131.41/44円)から上昇し、132.17/19円付近で取引されている。時間外取引で米長期金利が3.7%台と高水準で推移したことやクロス円を中心に円売り圧力が強まり、ドルは堅調地合いを維持した。
仲値にかけては実需のドル買いフローが出たとみられ、じりじりと上昇。ユーロが対ドルで一時1.0656付近と1月9日以来の安値水準を付けたほか、豪ドルや欧州通貨が対円で上昇したことも、ドルの支援材料となった。
前週末に日銀総裁人事報道や総裁候補の発言を受けて、ドル/円は乱高下したものの、足元では落ち着いた動きとなっている。三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は「次期日銀総裁人事について、為替市場では消化している。一方、株式や円債市場は見極めている状況だとみられ、三者三様の解釈となっている」と指摘する。
次期日銀総裁候補の植田和男元日銀審議委員については、「リフレ派ではなく、現状の金融緩和に対して課題意識を持っているとみられ、いずれにしろ正常化の方向に動くと市場は予想している。ただ、時期やペースなど時間軸がはっきりしないため、今後の所信聴取などでの発言で、推し量っていく状況となりそうだ」(ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏)という。
ミシガン大学が10日に発表した2月消費者信頼感指数(速報値)で1年先の期待インフレ率が上昇したことを受けて、米長期金利は一時3.75%と1月6日以来の高水準まで上昇。あす発表の米消費者物価指数(CPI)で予想を上回る数字になるのではないかとの思惑もドルを下支えした。
ステート・ストリート銀行の東京支店・共同支店長、若林徳広氏は「米利上げ長期化の思惑からドルは売りづらい。ただ、米国の金融引き締めによるリセッション懸念から安全資産として円が買われる可能性があり、ドルの上値を抑える。結果的にレンジ相場が続くのではないか」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 132.17/19 1.0668/72 141.01/05
午前9時現在 131.55/57 1.0675/79 140.44/48
NY午後5時 131.41/44 1.0675/79 140.27/31