[東京 10日 ロイター] - ドル/円は午後3時時点で、前日のニューヨーク市場終盤(135.21/25円)から小幅高の135.33/35円付近で取引されている。今晩発表される米消費者物価指数(CPI)が上振れるとの期待感からドルは強含みで推移した。
ドルは五・十日に伴い仲値にかけては135円前半で売り買いが交錯。国内輸入企業のドル買いが一定程度入った一方、国内輸出企業によるドル売りもでた。「米経済指標などでドルが上昇したとしても、上値余地は限られているとの見方から、一旦売っておくという動きがでた」(国内銀)という。その後は135円前半で底堅さを維持した。
ロイター調査によると、4月の米CPI(季節調整済み)は前年同月比5.0%上昇と前月と横ばい、前月比では0.4%上昇と前月(0.1%)から伸びが加速する見込み。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比5.5%上昇、前月比0.4%上昇と予想されている。
トレイダーズ証券の市場部長、井口喜雄氏は、「(ドルの)トレンドがでてくるかは米CPIが予想とどのくらい乖離しているか次第。予想と近い結果となれば、次の材料待ちとなりやすい」と指摘。仮に 米CPIが大きく上振れするなど米追加利上げを巡る思惑が強まれば、ドルは137円を超える動きがでてくるとみる。
一方、米国の債務上限問題への警戒感も引き続き強い。バイデン米大統領は9日、共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導部と債務上限問題について協議を開いたが、双方とも主張を譲らず、平行線に終わった。
りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏は、米景気が緩やかに減速していくとの見方は変わらないことに加えて、「米債務上限問題が長期化すれば、格付けが下がる可能性もあり、ドル売り圧力がかかりやすい」との見方を示した。
ユーロ/ドルは1.09ドル後半でもみあい。欧州中央銀行(ECB)の連続利上げを経て、一段の金利先高観は次第に後退しており、通貨オプション市場ではユーロ/ドルの1カ月物予想変動率が、ロシアがウクライナへ侵攻した昨年2月以来の水準へ低下した。
市場では「この状況が続けば、ユーロ高の失速に失望した短期筋が、手じまい売りに動く可能性が高まるかもしれない」(外銀)として、ユーロ反落に備える動きが出始めているという。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 135.33/35 1.0965/69 148.40/44
午前9時現在 135.27/29 1.0962/66 148.32/36
NY午後5時 135.21/25 1.0960/64 148.22/26