[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米債利回りの低下を受け、ドルが下落した。経済指標がまちまちとなり、米経済に軟調な部分があることが示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が年内にあと1回の利上げを実施するとの観測が一段と後退している。
こうした中、円は「介入ライン」と考えられている1ドル=150円からから遠ざかり、底堅く推移。終盤の取引でドル/円は149.04円と、ほぼ横ばいとなった。
前日のニューヨーク外為市場で、ドル/円は2022年10月以来の高値となる150.165円に上昇した後、急速に反転し、一時147.30円まで下落するなど乱高下した。
マネックスUSA(ワシントン)の外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「ドル/円は現在、3営業日前の水準にかなり近いところで取引されている。こうしたことを踏まえると、前日に政府・日銀は介入していないと考えている」とし、「心理的な節目となる1ドル=150円のラインを触れたことで市場が過剰に反応したのだろう」と述べた。
神田真人財務官は4日、首相官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に対し、首相とは経済一般の話をしたと述べ、3日のニューヨーク外国為替市場での為替介入の有無については「ノーコメント」と語った。
日銀の金融市場データによると、政府・日銀は3日に為替介入を行っていない可能性が高い。
主要6指数に対するドル指数 は0.3%安の106.69。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)発表の9月の全米雇用報告で民間部門雇用者数の増加数が予想を大きく下回ったことでドル指数は軟調となったが、その後、商務省発表の8月の製造業新規受注が予想を上回って増加したことで、下げ幅を縮小した。
ユーロ/ドルは0.5%高の1.0515ドル。英ポンド/ドルは0.6%高の1.2149ドル。
ニュージーランドドルは対米ドルで一時0.5871米ドルと、約1カ月ぶりの安値を付けた。ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を5.5%に据え置くことを決定。これまでの利上げが想定通り支出とインフレを抑制しているとの見解を改めて示した。
ドル/円 NY終値 149.12/149.13
始値 149.02
高値 149.14
安値 148.77
ユーロ/ドル NY終値 1.0503/1.0507
始値 1.0503
高値 1.0532
安値 1.0484