ドル/円
午後3時現在 83.14/18 1.3672/75 113.67/72
正午現在 83.07/08 1.3683/85 113.65/70
午前9時現在 83.10/12 1.3712/14 113.94/99
NY17時現在 83.09/11 1.3690/96 113.72/75
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[東京 21日 ロイター]午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に
比べ、若干ドル高の83円前半。ドルは朝方一時弱含んだものの、輸入勢の買いやリビア
での反政府デモ隊弾圧など、地政学的リスクも意識され83円を目前に踏みとどまった。
中国にまで広がりをみせる民主化運動が今後リスクマネーの動向の鍵を握るとして注目さ
れている。中東情勢懸念を背景に新興国から流出したマネーの一部は、英ポンドやカナダ
ドルに流入している。
ユーロは、必要なら利上げの用意があるとの欧州中央銀行(ECB)のビーニ・スマギ
専務理事の発言が尾を引き、朝方一時1.3727ドルまで買い進まれたが、その後は上
値が伸び悩んだ。
ドイツの地方選でメルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)が負けたこと
で「ユーロの上値が重くなっている。ただ、ソブリン対応などへの影響がわかりにくく、
欧州勢の反応も確認したい」(国内銀行)という。
<リスクマネー>
市場では、「中国が今後さらに不安定化すれば、中国にいったん流入したリスクマネー
が逆流する可能性がある。こうしたリパトリは、ドル高と円高方向に作用し、ドル/円で
はリパトリ・マネーの綱引きになるが、対他通貨では円高要因となるだろう」と東海東京
証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は言う。
「こうしたリスク資本の流出は中東、アフリカの民主化運動をきっかけにすでに起こり
始めているが、規模的にはまだ小さい」と同氏は指摘する。
香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは21日付の電子版で、中東地域での民
主化運動に呼応して、中国の13都市では20日、「(チュニジアのような)ジャスミン
革命」を起こそう、との集会の呼び掛けがインターネット上で広がり、北京や上海でも数
百人が集まった、と伝えた。
同紙によると、中国公安当局は、こうした集まりがより大きな反政府運動につながる懸
念から、数万人規模の警官を各地に配備して集会の鎮圧にまわったという。
他方、パリで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は19日、
エジプトとチュニジアの経済改革を支援すると表明したが、サウジアラビアや中国の反対
により、民主化運動を歓迎するとの表現は共同声明に盛り込まれなかった。 議長国フラ
ンスは、両国の変革を歓迎し、民主主義への秩序だった移行に向けて暫定政権を支援する
ためのリソースを提供するよう呼びかけたが、G20筋によると、共同声明の文言は著し
く後退。「民衆蜂起」や「民主主義」という文言は削られ、支援の方針を示すにとどまっ
た。
<金とドルが同時高>
主要6通貨に対するドルの動きを示すドル指数<.DXY>は77.740付近で、18日の
引け値77.664を小幅に上回って推移している。他方、金現物は1オンス
1394.54/1395.31ドルの気配、先週末比で上昇している。
最近のトレンドとして、「地政学的なリスクが懸念され、市場で不安心理が高まると、
ドル(指数)と金が両方同時に選好され、ポジティブな相関が高まる。今回は中東地域の
民主化の動きで、ポジティブな相関がいったん高まった。現在はピークを通り越し、相関
関係がはげ落ちる過程にある。マーケットは落ち着きを取り戻してきていると言えるだろ
う」とバークレイズ銀行、外為調査部FXストラテジストの逆井雄紀氏は言う。
<英ポンド、カナダドルはロング積み上がり>
英ポンド
ドルに比べ若干安。カナダドル
ぼ変わらず。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月15日まで
の1週間)では、英ポンドおよびカナダドルの買い持ち(ロングポジション)が大幅に拡
大した。英ポンドの買い持ちは2月8日時点の2万4475枚から5万2572枚に拡大
。カナダドルの買い持ちは同3万9790枚から7万2090枚に拡大した。
「英ポンドとカナダドルのロングは2007年10―11月以来の高水準。ロングが溜
まっているので一段高は難しい。今週BOE(イングランド銀行、英中銀)の議事録が発
表されるが、ネガティブ・サプライズに反応しやすくなっている」(外銀)との指摘が上
がっている。
BOEが前月末に発表した1月12―13日の金融政策委員会議事録では、予想外に
ウィール委員がセンタンス委員に同調して25ベーシスポイント(bp)の利上げを支持
したことが明らかになった。金融政策委員会は7対2で金利の据え置きを決定した。
BOEは16日、四半期インフレ報告を公表し、緩やかな利上げの可能性を示した。
高止まりするインフレは今後さらに高進する公算が大きいとし、市場の早期利上げ観測が
全くの的外れではないことをほのめかした。
<オプション>
オプション市場では、ドル/円のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)1カ月
物
ボラティリティは2月上旬以降、数回にわたって8%台まで低下している。
「海外ファンド勢を中心に、ボラティリティが10.7―10.8%台だった1月に、
85円付近のドル・コールを買ったグループが、(ドル/円が上値を伸びないため)この
ところ諦めて、投げに入っている」(外銀)ことが、ボラティリティ低下の背景だとい
う。
1週間物のボラティリティは7.15/7.90%の気配。前週末に一時6.30%
の気配まで低下した。
(ロイター 森佳子記者)