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東京外為市場・15時=ドル83円前半、民主化運動拡大でリスクマネーの動向を注視

発行済 2011-03-01 19:44

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 83.14/18  1.3672/75  113.67/72

正午現在   83.07/08  1.3683/85  113.65/70

午前9時現在 83.10/12  1.3712/14  113.94/99

NY17時現在 83.09/11  1.3690/96 113.72/75

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 [東京 21日 ロイター]午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に

比べ、若干ドル高の83円前半。ドルは朝方一時弱含んだものの、輸入勢の買いやリビア

での反政府デモ隊弾圧など、地政学的リスクも意識され83円を目前に踏みとどまった。

中国にまで広がりをみせる民主化運動が今後リスクマネーの動向の鍵を握るとして注目さ

れている。中東情勢懸念を背景に新興国から流出したマネーの一部は、英ポンドやカナダ

ドルに流入している。

  

 ユーロは、必要なら利上げの用意があるとの欧州中央銀行(ECB)のビーニ・スマギ

専務理事の発言が尾を引き、朝方一時1.3727ドルまで買い進まれたが、その後は上

値が伸び悩んだ。

 ドイツの地方選でメルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)が負けたこと

で「ユーロの上値が重くなっている。ただ、ソブリン対応などへの影響がわかりにくく、

欧州勢の反応も確認したい」(国内銀行)という。

  

  

 

 <リスクマネー> 

 

 市場では、「中国が今後さらに不安定化すれば、中国にいったん流入したリスクマネー

が逆流する可能性がある。こうしたリパトリは、ドル高と円高方向に作用し、ドル/円で

はリパトリ・マネーの綱引きになるが、対他通貨では円高要因となるだろう」と東海東京

証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は言う。

 「こうしたリスク資本の流出は中東、アフリカの民主化運動をきっかけにすでに起こり

始めているが、規模的にはまだ小さい」と同氏は指摘する。

 香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは21日付の電子版で、中東地域での民

主化運動に呼応して、中国の13都市では20日、「(チュニジアのような)ジャスミン

革命」を起こそう、との集会の呼び掛けがインターネット上で広がり、北京や上海でも数

百人が集まった、と伝えた。

 同紙によると、中国公安当局は、こうした集まりがより大きな反政府運動につながる懸

念から、数万人規模の警官を各地に配備して集会の鎮圧にまわったという。

 他方、パリで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は19日、

エジプトとチュニジアの経済改革を支援すると表明したが、サウジアラビアや中国の反対

により、民主化運動を歓迎するとの表現は共同声明に盛り込まれなかった。 議長国フラ

ンスは、両国の変革を歓迎し、民主主義への秩序だった移行に向けて暫定政権を支援する

ためのリソースを提供するよう呼びかけたが、G20筋によると、共同声明の文言は著し

く後退。「民衆蜂起」や「民主主義」という文言は削られ、支援の方針を示すにとどまっ

た。

 

    

<金とドルが同時高>

 

 主要6通貨に対するドルの動きを示すドル指数<.DXY>は77.740付近で、18日の

引け値77.664を小幅に上回って推移している。他方、金現物は1オンス

1394.54/1395.31ドルの気配、先週末比で上昇している。

 最近のトレンドとして、「地政学的なリスクが懸念され、市場で不安心理が高まると、

ドル(指数)と金が両方同時に選好され、ポジティブな相関が高まる。今回は中東地域の

民主化の動きで、ポジティブな相関がいったん高まった。現在はピークを通り越し、相関

関係がはげ落ちる過程にある。マーケットは落ち着きを取り戻してきていると言えるだろ

う」とバークレイズ銀行、外為調査部FXストラテジストの逆井雄紀氏は言う。

 

  

 

 <英ポンド、カナダドルはロング積み上がり>

 

 英ポンドは1.6233ドル付近で、前週末ニューヨーク終盤の1.6250

ドルに比べ若干安。カナダドルは0.9869ドル付近でニューヨーク終盤とほ

ぼ変わらず。

 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月15日まで

の1週間)では、英ポンドおよびカナダドルの買い持ち(ロングポジション)が大幅に拡

大した。英ポンドの買い持ちは2月8日時点の2万4475枚から5万2572枚に拡大

。カナダドルの買い持ちは同3万9790枚から7万2090枚に拡大した。

 

 「英ポンドとカナダドルのロングは2007年10―11月以来の高水準。ロングが溜

まっているので一段高は難しい。今週BOE(イングランド銀行、英中銀)の議事録が発

表されるが、ネガティブ・サプライズに反応しやすくなっている」(外銀)との指摘が上

がっている。

  BOEが前月末に発表した1月12―13日の金融政策委員会議事録では、予想外に

ウィール委員がセンタンス委員に同調して25ベーシスポイント(bp)の利上げを支持

したことが明らかになった。金融政策委員会は7対2で金利の据え置きを決定した。

 BOEは16日、四半期インフレ報告を公表し、緩やかな利上げの可能性を示した。

高止まりするインフレは今後さらに高進する公算が大きいとし、市場の早期利上げ観測が

全くの的外れではないことをほのめかした。 

 

<オプション>

 

 オプション市場では、ドル/円のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)1カ月

が8.75/9.05%の気配で、2007年10月以来の低水準。1カ月物

ボラティリティは2月上旬以降、数回にわたって8%台まで低下している。

 「海外ファンド勢を中心に、ボラティリティが10.7―10.8%台だった1月に、

85円付近のドル・コールを買ったグループが、(ドル/円が上値を伸びないため)この

ところ諦めて、投げに入っている」(外銀)ことが、ボラティリティ低下の背景だとい

う。

 1週間物のボラティリティは7.15/7.90%の気配。前週末に一時6.30%

の気配まで低下した。

 

(ロイター 森佳子記者)

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