*16:43JST 学情 Research Memo(3):サービスの組み合わせにより顧客の採用ニーズに合わせた高いマッチング精度を実現
■事業概要
1. 主な商品
学情 (TYO:2301)では、大学・短大新卒者並びに第2新卒者及び20代の転職希望者に対する企業PR・情報提供サービス業務及び各種採用コンサルティング業務、人材紹介・人材派遣・新卒紹介予定派遣業務を、以下5商品を中心に展開している。
a) 「Re就活」
20代専門の転職サイトである。
登録会員の92.5%が20代で、そのうちの84.0%が職歴あり、65.0%が初転職という、20代若手人材層の会員を有している。
基本属性や経験、志向性など詳細な検索とアプローチが可能であり、希望人材へのスカウトメールの自動配信等での効率的な採用活動を提供している。
「転職博」とのセットプランのほか、採用地域や職種などに応じて多彩なプランの組み合わせで企業にとって最適な提案を行っている。
中途採用市場においては、少子高齢化、若年層の減少、労働に対する価値観の変化(人材流動化)、地方へのUIターン就職希望増加などによる若手人材に対する採用ニーズが急速に回復し人材のマッチングニーズは多様化・細分化している。
そうしたなかで「Re就活」は企業・求職者双方のニーズに毎年対応する形で機能のアップデートを実施している。
2022年6月には第4弾となるアップグレードを実施し、企業が求職者に送るスカウトメール内で動画を再生できる機能や、ヘッドハンティング機能の導入を実施した。
求職者と採用企業とのマッチング精度をさらに向上させ、登録会員数と導入企業数を加速させていく構えだ。
実際、2017年のサービスフルリニューアル以降、会員数は右肩上がりで増加し、2022年12月には会員数が200万人を超えた。
不確実性の高い時代において、主体的なキャリア形成に対する関心が高まっており、25~34歳の5人に1人は転職を希望している。
採用企業側では、通年採用を拡大するなかで経験者を採用することに対するニーズも高まっており、同商品に対するニーズは好調に推移することが想定される。
b) 「あさがくナビ」
朝日新聞社と共同編集する就活準備コンテンツで、多方面から学生の業界・企業研究をサポートし、独自の検索機能で企業とのマッチングを実現させる「スカウト型就職サイト」である。
新卒対象ダイレクトリクルーティングサイトとして日本最大級の学生登録データ(約40万名分の学生データ)を保有しており、出身大学や出身学部に囚われない幅広い学校層の学生へのダイレクトアプローチを可能としている。
「採用条件」「学校情報」「学生の特徴(希望する働き方など)」「保有資格」の4つのカテゴリからの学生スカウト機能や、AIがプレエントリーにつながりやすい学生をレコメンドするAIスカウト機能も有している。
また、求職者・採用企業の双方のニーズに応えるために、適宜機能のアップデートも実施している。
2022年6月には、採用管理システム「sonar ATS」とのAPI連携を開始し、人事担当者の情報管理の利便性向上を実現した。
2020年9月にサービスを開始した職場体験型採用動画「JobTube」シリーズでは、「JobTubeスカウト」「JobTube Lite」「JobTube縦Lite」などの新サービスを随時投入し、動画を通じて企業の雰囲気を知りたいという学生のニーズに柔軟に応えている。
リアルイベントと連携している点も特長だ。
日本最大級の合同企業セミナー「就職博」に来場した学生データを活用し、積極的に就職活動をしているユーザーに顧客企業が効果的にアプローチすることを可能にしている。
そのほかにも「あさがくナビ」のスカウト機能を搭載し、ピンポイントで企業が求める外国人留学生へのアプローチを可能にした、外国人留学生向け就職情報サイト「あさがくナビ Japan Jobs」の運営も行っている。
c) 「就職博」
企業選びで多くの人が重視する「会社の雰囲気」「人間関係」を知るための日本最大級の就職イベントである。
年間延べ来場者数20万名以上、延べ参加企業数7,000社に上る。
同イベントの特徴は、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の5会場での定期開催や企業の採用計画に合ったタイミング・場所での参画のほか、求職者のスカウト及びマッチングについて事前のヒアリングから当日の集客までをサポートする、同社オリジナル支援である。
そのほか学生の目を引くブース装飾や動画によるプロモーションツールの制作など、企業の採用課題の解決をトータルで支援している。
「Web就職博」も展開している。
これまで出会えなかった学生との出会いを創出するオンライン開催の「就職博」である。
1回当たりの参加企業を約60社とすることで視聴者が分散しにくい規模となっており、3ヶ月間の見逃し配信公開等のサービスにより、視聴後のプレエントリー移行率は70%と、他社のオンラインイベントと比較して高い実績となっている。
就職博シリーズとしてほかに「インターンシップ博」「転職博」「就活サポートmeeting」などがあり、多彩なラインナップを有している。
2022年10月期においては、企業の「リアルイベントで直接面談したい」というニーズが急回復した。
また、2023年10月期第1四半期においても前年同期比130.7%増と急拡大した。
就職活動にIT技術が取り入れられていると言っても、リアルイベントでしか得ることのできないメリットもあり、今後もリアルイベントに対するニーズは好調に推移していくと弊社は見ている。
d) エージェント事業(人材紹介)
「Re就活」のデータベースと連携し、同社エージェントが幅広い20代登録者の中から最適な採用ターゲットを提案するサービスである。
求職者との日程調整や合否連絡などの採用業務を一部代行するほか、同サービスにおいては成功報酬型の人材紹介サービスとなっているためリスクゼロの採用活動が可能となっている点が特長である。
また、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の大都市圏を中心に、全国の勤務地に対応した人材の紹介を行っている点も特長である。
求職者と面談するキャリアアドバイザーの採用強化を継続しており、大阪本社ではキャリアアドバイザーの増員に伴いエージェント事業部のオフィスを増床した。
e) 公的分野商品
採用・就職支援活動の実績を生かし、数々の官公庁や自治体の雇用促進、人材確保支援事業等を実施している。
東日本大震災の直後には被災した求職者を支援する「がんばろう!東北就職応援フェア」を東北各地域で開催した。
近年では外国人留学生の日本での就職をトータルにサポートするプログラムや女性の復職や活躍を支援する取り組み、都市部の人材に全国各地域の魅力を伝えながら出会いの場を創出する“地域創生”関連事業等を幅広く実施している。
なお、この公的分野商品はこれまでの実績が高く評価され随意契約も多く、安定性が高い事業である。
同社の顧客企業はコンサルティングの効果が高い中堅中小企業が多く、競合比で高い利益率を実現させている。
これは同社事業が成功報酬型ではないこと、かつ強力な自社サイトを有していることが要因である。
同社では、これらのサイトを強化していくことで求職者からの評価を上げ、その評価が上がるにつれ参画企業も増加するという好循環を実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
1. 主な商品
学情 (TYO:2301)では、大学・短大新卒者並びに第2新卒者及び20代の転職希望者に対する企業PR・情報提供サービス業務及び各種採用コンサルティング業務、人材紹介・人材派遣・新卒紹介予定派遣業務を、以下5商品を中心に展開している。
a) 「Re就活」
20代専門の転職サイトである。
登録会員の92.5%が20代で、そのうちの84.0%が職歴あり、65.0%が初転職という、20代若手人材層の会員を有している。
基本属性や経験、志向性など詳細な検索とアプローチが可能であり、希望人材へのスカウトメールの自動配信等での効率的な採用活動を提供している。
「転職博」とのセットプランのほか、採用地域や職種などに応じて多彩なプランの組み合わせで企業にとって最適な提案を行っている。
中途採用市場においては、少子高齢化、若年層の減少、労働に対する価値観の変化(人材流動化)、地方へのUIターン就職希望増加などによる若手人材に対する採用ニーズが急速に回復し人材のマッチングニーズは多様化・細分化している。
そうしたなかで「Re就活」は企業・求職者双方のニーズに毎年対応する形で機能のアップデートを実施している。
2022年6月には第4弾となるアップグレードを実施し、企業が求職者に送るスカウトメール内で動画を再生できる機能や、ヘッドハンティング機能の導入を実施した。
求職者と採用企業とのマッチング精度をさらに向上させ、登録会員数と導入企業数を加速させていく構えだ。
実際、2017年のサービスフルリニューアル以降、会員数は右肩上がりで増加し、2022年12月には会員数が200万人を超えた。
不確実性の高い時代において、主体的なキャリア形成に対する関心が高まっており、25~34歳の5人に1人は転職を希望している。
採用企業側では、通年採用を拡大するなかで経験者を採用することに対するニーズも高まっており、同商品に対するニーズは好調に推移することが想定される。
b) 「あさがくナビ」
朝日新聞社と共同編集する就活準備コンテンツで、多方面から学生の業界・企業研究をサポートし、独自の検索機能で企業とのマッチングを実現させる「スカウト型就職サイト」である。
新卒対象ダイレクトリクルーティングサイトとして日本最大級の学生登録データ(約40万名分の学生データ)を保有しており、出身大学や出身学部に囚われない幅広い学校層の学生へのダイレクトアプローチを可能としている。
「採用条件」「学校情報」「学生の特徴(希望する働き方など)」「保有資格」の4つのカテゴリからの学生スカウト機能や、AIがプレエントリーにつながりやすい学生をレコメンドするAIスカウト機能も有している。
また、求職者・採用企業の双方のニーズに応えるために、適宜機能のアップデートも実施している。
2022年6月には、採用管理システム「sonar ATS」とのAPI連携を開始し、人事担当者の情報管理の利便性向上を実現した。
2020年9月にサービスを開始した職場体験型採用動画「JobTube」シリーズでは、「JobTubeスカウト」「JobTube Lite」「JobTube縦Lite」などの新サービスを随時投入し、動画を通じて企業の雰囲気を知りたいという学生のニーズに柔軟に応えている。
リアルイベントと連携している点も特長だ。
日本最大級の合同企業セミナー「就職博」に来場した学生データを活用し、積極的に就職活動をしているユーザーに顧客企業が効果的にアプローチすることを可能にしている。
そのほかにも「あさがくナビ」のスカウト機能を搭載し、ピンポイントで企業が求める外国人留学生へのアプローチを可能にした、外国人留学生向け就職情報サイト「あさがくナビ Japan Jobs」の運営も行っている。
c) 「就職博」
企業選びで多くの人が重視する「会社の雰囲気」「人間関係」を知るための日本最大級の就職イベントである。
年間延べ来場者数20万名以上、延べ参加企業数7,000社に上る。
同イベントの特徴は、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の5会場での定期開催や企業の採用計画に合ったタイミング・場所での参画のほか、求職者のスカウト及びマッチングについて事前のヒアリングから当日の集客までをサポートする、同社オリジナル支援である。
そのほか学生の目を引くブース装飾や動画によるプロモーションツールの制作など、企業の採用課題の解決をトータルで支援している。
「Web就職博」も展開している。
これまで出会えなかった学生との出会いを創出するオンライン開催の「就職博」である。
1回当たりの参加企業を約60社とすることで視聴者が分散しにくい規模となっており、3ヶ月間の見逃し配信公開等のサービスにより、視聴後のプレエントリー移行率は70%と、他社のオンラインイベントと比較して高い実績となっている。
就職博シリーズとしてほかに「インターンシップ博」「転職博」「就活サポートmeeting」などがあり、多彩なラインナップを有している。
2022年10月期においては、企業の「リアルイベントで直接面談したい」というニーズが急回復した。
また、2023年10月期第1四半期においても前年同期比130.7%増と急拡大した。
就職活動にIT技術が取り入れられていると言っても、リアルイベントでしか得ることのできないメリットもあり、今後もリアルイベントに対するニーズは好調に推移していくと弊社は見ている。
d) エージェント事業(人材紹介)
「Re就活」のデータベースと連携し、同社エージェントが幅広い20代登録者の中から最適な採用ターゲットを提案するサービスである。
求職者との日程調整や合否連絡などの採用業務を一部代行するほか、同サービスにおいては成功報酬型の人材紹介サービスとなっているためリスクゼロの採用活動が可能となっている点が特長である。
また、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の大都市圏を中心に、全国の勤務地に対応した人材の紹介を行っている点も特長である。
求職者と面談するキャリアアドバイザーの採用強化を継続しており、大阪本社ではキャリアアドバイザーの増員に伴いエージェント事業部のオフィスを増床した。
e) 公的分野商品
採用・就職支援活動の実績を生かし、数々の官公庁や自治体の雇用促進、人材確保支援事業等を実施している。
東日本大震災の直後には被災した求職者を支援する「がんばろう!東北就職応援フェア」を東北各地域で開催した。
近年では外国人留学生の日本での就職をトータルにサポートするプログラムや女性の復職や活躍を支援する取り組み、都市部の人材に全国各地域の魅力を伝えながら出会いの場を創出する“地域創生”関連事業等を幅広く実施している。
なお、この公的分野商品はこれまでの実績が高く評価され随意契約も多く、安定性が高い事業である。
同社の顧客企業はコンサルティングの効果が高い中堅中小企業が多く、競合比で高い利益率を実現させている。
これは同社事業が成功報酬型ではないこと、かつ強力な自社サイトを有していることが要因である。
同社では、これらのサイトを強化していくことで求職者からの評価を上げ、その評価が上がるにつれ参画企業も増加するという好循環を実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)