[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した8月の企業物価指数速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比0.9%下落し、前月の同0.6%下落からマイナス幅が拡大した。下落は3カ月連続で、2016年12月(同1.2%下落)以来のマイナス幅となった。
足元の企業物価の弱さについて、日銀は「米中貿易摩擦に対する懸念の高まりで、石油製品や銅などの非鉄金属、化学製品など市況性の高いものが下落したため」(幹部)と説明した。
ロイターが集計した民間調査機関の予測中央値は前年比0.8%下落だった。
石油・石炭製品は前年比9.9%の下落(7月は8.5%下落)、非鉄金属は同5.3%下落(同6.7%下落)だった。
足元では国内建設需要などを背景に上昇傾向にあった鉄鋼や建設用金属製品などで価格上昇の動きが一服しているほか、春先以降にみられた食料品価格の値上げの動きも落ち着きつつあり、日銀は「すごく弱いというところまではいかないが、基調としてプラスが拡大していくようなものがだんだん少なくなりつつある」(幹部)との見方を示した。
公表744品目のうち、前年比で上昇したのは358品目、下落したのは287品目だった。上昇と下落の差は71品目で、前月の89品目から縮小した。
(志田義寧)