■要約エスプール (T:2471)は、コールセンターや店頭販売支援業務等の人材派遣サービスを提供する人材ソリューション事業と、障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービスを中心としたビジネスソリューション事業を展開する。
障がい者雇用支援サービスでは、企業に対して貸し農園設備の販売及び運営管理と、障がい者の就労支援サービスを提供しており、ビジネスモデルとしてはフロー型とストック型を組み合わせたハイブリッドモデルとなっている。
2010年に事業を開始して以降、2019年5月末時点で、千葉県、愛知県、埼玉県で16農園を運営、230社に対してサービスを提供、累計1,300名を超える障がい者雇用を創出している。
1. 2019年11月期第2四半期累計業績の概要2019年11月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比20.8%増の8,296百万円、営業利益で同64.8%増の763百万円といずれも期初会社計画(売上高8,068百万円、営業利益466百万円)を上回り、半期ベースで過去最高業績を更新した。
売上高は人材アウトソーシングサービスが前年同期比20.9%増、障がい者雇用支援サービスが同44.4%増と主力2事業がそろって好調に推移し全体のけん引役となった。
営業利益は主力2事業の増益に加えて、ロジスティクスアウトソーシングサービスや採用支援サービスが黒字転換したことも増益に寄与した。
また、会社計画比での上振れ要因は、障がい者雇用支援サービスにおいて農園の区画販売数が430区画と期初計画の292区画を大きく上回ったことが主因となっている。
2. 2019年11月期見通し2019年11月期業績は売上高で前期比15.3%増の17,066百万円、営業利益で同28.1%増の1,260百万円と期初計画を据え置いているが、下期も障がい者雇用支援サービスの好調持続が見込まれ、営業利益で1,500百万円前後まで上振れする可能性があると弊社では見ている。
通期の農園区画販売数については、期初計画の800区画から今回、880区画に上方修正されており、売上高で換算すると会社計画の2,508百万円から1割程度上振れするものと予想されるためだ。
また、農園の販売余力がまだあるため、受注状況によっては更なる上積みも期待される。
3. 障がい者雇用支援サービスの中期見通し同社は障がい者雇用支援サービスについて、2020年11月期以降、年間約1,000区画ペースで販売し、管理区画数で1万区画まで拡大していくことを目標に掲げている。
順調に進めば7年後には達成する見通しで、1万区画達成時点での年間売上規模は70億円(フロー型ビジネスとなる設備販売及び人材紹介料で20億円、ストック型ビジネスの管理収入で50億円)、営業利益率で40%前後の水準になることが予想される。
4. 2019年7月26日に東証1部へ変更同社は2019年2月に東証JASDAQ市場から第2部に市場変更したが、第1部への市場変更に向けて、株主数の形式要件(2,200人)を満たすために、2019年7月に46万株の株式分売を実施した。
これによって要件をすべてクリアしたため、2019年7月26日付で、東証第1部銘柄に指定されることとなった。
■Key Points・障がい者雇用支援サービスは新たに進出した埼玉が順調に立ち上がる・2019年11月期業績は障がい者雇用支援サービスの好調持続により、会社計画を上回る公算大・障がい者雇用支援サービスは7年後に売上高70億円に拡大する可能性(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)