8日の日経平均は5日ぶりに反発となった。
前日の米国株式市場では、米中対立長期化や長期金利低下が嫌気されたが、シカゴ連銀総裁が追加利下げの必要性を示唆すると下げ幅を縮小し、主要3指数はまちまちの結果になった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円高の20600円となり、本日の東京市場には買いが先行したが、前日に決算を発表したソフトバンクG (T:9984)が買い先行後に急速に伸び悩んだことで、日経平均は寄付直後にマイナスに転じる場面があった。
しかしその後は、中国人民銀行が対ドル人民元における取引基準値を1ドル=7.0039元に設定したことが明らかになり、市場想定よりも元高・ドル安水準に設定したことで、通貨安論争によって高まっていた米中貿易摩擦への懸念がいったんは後退。
海外短期筋などによる指数先物への買い戻しもみられ、日経平均はプラス圏を回復しての推移となった。
物色としては、決算を受け好業績銘柄に関心が向かったほか、前日の米ハイテク株高を受けた半導体関連や電子部品株も強含みをみせた。
大引けの日経平均は前日比76.79円高の20593.35円。
東証1部の売買高は11億8706万株、売買代金は2兆878億円だった。
なお、東証1部の値上がり銘柄は全体の約50%となった。
セクターでは、ゴム製品や精密機器が1%高になったほか、建設業、その他製品、繊維製品が上昇した。
一方で、一時50ドル台まで売られる場面があったNY原油動向などが嫌気された石油石炭製品が4%安となったほか、鉱業、海運業、その他金融業、保険業も軟調。
指数インパクトの大きいところでは、5営業日ぶりに自律反発をみせたファーストリテ (T:9983)のほか、業績面から関心が向かう展開が続くダイキン工業 (T:6367)やアドバンテスト (T:6857)、前日の決算で第1四半期が約3割の経常増益になったコムシスHDなどが指数寄与度上位に並んだ。
売買代金上位では、任天堂 (T:7974)、トヨタ自動車 (T:7203)、ソフトバンク (T:9434)、東京エレクトロン (T:8035)、太陽誘電 (T:6976)などが上昇した。
一方で、ファンド事業が好調で市場予想を上振れる決算を発表するも反応は限定的であったソフトバンクGが2%安になったほか、ソニー (T:6758)、武田薬品 (T:4502)、JXTG (T:5020)、三菱UFJ (T:8306)などのメガバンク株は弱含んだ。