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神戸物産 Research Memo(7):業務スーパーの販売好調で2019年10月期業績は会社計画を上回る見通し

発行済 2019-08-14 15:07
更新済 2019-08-14 15:21
© Reuters.  神戸物産 Research Memo(7):業務スーパーの販売好調で2019年10月期業績は会社計画を上回る見通し
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■今後の見通し1. 2019年10月期の業績見通し神戸物産 (T:3038)の2019年10月期の連結業績予想は、売上高が前期比5.5%増の281,900百万円、営業利益が同4.9%増の16,500百万円、経常利益が同3.0%増の16,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.2%増の10,800百万円と期初計画を据え置いている。

ただ、第2四半期までの進捗率が売上高で51.3%、営業利益で56.5%と過去3年間の平均進捗率(売上高49.4%、営業利益47.0%)をいずれも上回っていること、5月以降も業務スーパーの販売好調が続いていることなどから、業績は会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

なお、為替前提レートは前期末と同水準となる113円/ドルとしている。

直近、為替レートが円高に振れているため、輸入コスト低減により営業利益段階ではプラスとなるが、営業外収支で為替差損が発生するため、経常利益段階ではほぼ中立要因となる。

事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

(1) 業務スーパー事業業務スーパーの新規出店に関しては通期で前期末比25店舗増の838店舗を計画している。

第2四半期までに13店舗増となっており、6月だけで東京都3店、神奈川県1店、埼玉県1店、兵庫県1店、岩手県1店がオープン。

FCオーナーの投資意欲も九州エリアを中心に引き続き旺盛なことから、物件探索と建設工事の状況次第では計画を上回る可能性も十分ある。

既存店の販売状況についてはPB商品を中心に5月以降も好調を持続しているようで、会社計画の前提となっている2%台後半の伸びを下期も上回って推移する可能性が高い。

今後の課題としては、国内における自社グループ工場の人材確保が挙げられる。

グループ工場の中でもヒット商品を抱える工場では人手不足が慢性化しており、2019年春以降は一部コストの高い派遣社員で凌ぐ工場も出たほどだ。

また、生産ラインの不足により販売機会ロスが生じている商品もある。

今後、売上高をさらに拡大していくためにはこうした課題をクリアしていくことが重要となる。

このため、能力増強投資については前倒しで進めていく方針となっている。

自動化に対応した大型設備を導入する予定のため、能力増強の効果は2021年10月期に入ってから顕在化する見込みとなっており、それまでは人材の確保によって需要増に対応していくことになる。

(2) 神戸クック事業神戸クック事業は、売上高で前期比20%以上の増収、営業利益は増収効果に加えて在庫償却費の一巡により黒字転換する見通し。

出店計画については、「神戸クック・ワールドビュッフェ」が通期で前期末比5店舗増の24店舗を計画しているが、建設工事の遅れから1店舗は2020年10月期にずれ込む見通しとなっている。

一方、惣菜事業については人材確保が困難ななかでも、スピード感のある出店と収益化が可能な「馳走菜」の出店を積極的に拡大していく方針となっており、「Green's K」から「馳走菜」への業態変更、並びに業務スーパーとの同時出店を進めていく方針となっており、通期で前期末比6店舗増の9店舗を計画している。

(3) クックイノベンチャー事業クックイノベンチャー事業に関しては、ジー・テイストが2018年6月に発表した中期経営計画の業績目標値を反映させている。

このため、2018年6月以降にジー・テイストが実施したM&Aの効果※は同社の連結業績計画には織り込まれていない。

売上高に関しては中期経営計画策定時よりも増加するものの、利益面ではのれん償却費の増加を主因として若干下振れる見通しとなっている。

※2018年6月以降、ファーストフードやイタリアン、フードコート、海鮮居酒屋等を運営する外食企業4社、1事業を取得。

これら企業の子会社化前の売上実績は合計で8,027百万円、営業損失で60百万円となっている。

また、のれん償却費として142百万円(10年償却)を計上する。

(4) エコ再生エネルギー事業エコ再生エネルギー事業は、前期比で大きく増収となる見通しだ。

前第4四半期から本格稼働を開始したバイオマス発電による売電収入が通年で寄与するほか、2019年10月期第2四半期より稼働を開始した和歌山県と北海道の太陽光発電所も寄与し、合わせて10億円強の増収要因となる見込み(期末の発電出力は合計で約28.25MW)。

また、今後の太陽光発電プロジェクトとしては、2020年後半に岬町プロジェクト(大阪府、10MW)の稼働が予定されているほか、2021年に西白河プロジェクト(福島県、17MW)、2022〜23年に東松山プロジェクト(宮城県、30MW)の建設が予定されている。

当初の設備投資計画では3プロジェクト合計で約170億円、売電収入額として年間20億円程度を見込んでいたが、設備投資額に関しては太陽光パネルの価格が下落していることもあり、当初より下回る可能性が高い。

また、東北エリアにおいては再生エネルギー施設の稼働が相次ぐなかで、送電網の不足が問題となってきており、状況によっては計画が延伸されることも考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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