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KLab Research Memo(4):2018年12月期も引き続き大幅な業績の伸びを見込む

発行済 2018-06-08 15:06
更新済 2018-06-08 15:21
KLab Research Memo(4):2018年12月期も引き続き大幅な業績の伸びを見込む
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■業績見通し

1. 2018年12月期の業績予想
2018年12月期の通期業績予想(レンジ形式)※についてKLab (T:3656)は、期初予想を据え置き、売上高を33,500 百万円(前期比25.1%増)~38,500百万円(同43.8%増)、営業利益を3,750百万円(前期比23.3%減)~6,250百万円(同27.8%増)、経常利益を3,650百万円(前期比24.8%減)~6,150百万円(同26.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,350百万円(前期比24.8%減)~4,200百万円(同34.3%増)と見込んでおり、レンジ上限の場合は、2期連続で大幅な増収増益となる見通しである。


※同社は、2017年12月期よりレンジ形式による「通期業績予想開示」を採用している。
なお、レンジ形式による「通期業績予想開示」に変更したのは、新作タイトルのヒット度合いにより業績が大きく変動することや、2016年12月期まで採用していた「翌四半期業績予想」では企業価値を長期目線で判断するには情報不足となることが理由である。



売上高は、新作タイトル(4本から6本のリリースを想定)による業績貢献を前提としている。
また、レンジ設定の想定は、既存タイトルの売上ライフサイクル(自然減)及び新作タイトル(既存タイトルの海外展開を含む) のヒット度合いを反映したものである。
すなわち、レンジ幅上限は、新作タイトルが好調だった場合を想定する一方、レンジ幅下限は、新作タイトルが不振だった場合、または既存タイトルの減衰が大きい場合を想定した設定となっている。


一方、費用面では、新作タイトルの積極的なプロモーション展開やイベント出展による広告宣伝費の増加、新作タイトルのリリースに伴う運営費用(労務費、外注費/業務委託費、減価償却費)の増加、人員拡大に向けた労務費及び採用関連費の増加を見込むとともに、来期(2019年12月期)以降の事業展開を見据え、積極的な投資を行っていく方針である。
したがって、売上高がレンジ上限の場合には、十分に費用の増加分を吸収できる一方、レンジ下限の場合には前期比で減益となる想定となっている。


弊社では、順調に拡大している「キャプテン翼」や「シャニライ」が海外展開を含めて通年寄与することや、他の主要タイトルについても大きく落ち込む懸念が少ないことから、仮に新作タイトルが不振であったとしても、レンジ下限は保守的な水準であるとみており、レンジ内での着地は十分に可能であると評価している。
特に、「キャプテン翼」については、サッカーの盛んな欧州及び南米を始め、中東でも人気が高いIPであることに加え、2018年6月開催予定のFIFAワールドカップロシア大会が追い風となる可能性が高い。
同社では、これまでの6言語対応(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、繁体字中国語)から、更なる多言語化(アラビア語及びブラジルポルトガル語の追加)を実装し、その効果が期待される。
また、2018年4月2日からアニメ放送が開始していることも同ゲームに良い影響を与えている可能性がある。


2. パイプラインの状況
2018年3月末のパイプライン(本開発中及びプロト開発中)は内製2本(そのうち他社IPが1本、自社IPが1本)、外製5本(そのうち他社IPが4本、自社IPが1本)の合計7本となっている。
そのうち、「ガールズ&パンツァー あつまれ!みんなの戦車道!!」※については3月18日より事前登録受付を開始している。
なお、他社IPには、これまで同様、一定のヒット率が期待できるタイトルが並ぶものの、外部の開発会社が開発を担っている外製タイトルの業績へのインパクトは、内製タイトルと比較して小さくなることには注意が必要である。


※(株)バンダイナムコエンターテインメントがパブリッシングし、開発を同社が担当


弊社では、他社IPによるタイトルはリリースのタイミングに遅れがなければ、一定の業績貢献は期待できるものとみている。
一方、自社IPについては、しばらくヒット作品を生み出していない同社であるが、自社IP創出とメディアミックス展開は今後の事業拡大や収益基盤の更なる強化に向けて重要な戦略テーマとなっており、弊社でも大きな可能性を秘めているものとして注目している。
現在開発中の自社IPタイトルには外部の有力なクリエイターが協力しており、その成果が期待される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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