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イード Research Memo(1):収益改善施策が奏効し、2018年6月期は3期ぶりの増益に転じる

発行済 2018-09-19 15:41
更新済 2018-09-19 16:00
イード Research Memo(1):収益改善施策が奏効し、2018年6月期は3期ぶりの増益に転じる
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■要約

イード (T:6038)は、Webメディア・コンテンツの運営を行うコンテンツマーケティングプラットフォーム(以下、CMP)事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するコンテンツマーケティングソリューション(以下、CMS)事業の2つの事業を展開している。
Webメディアに関しては事業取得や新規開発を進めながら、自動車、IT、エンターテインメント、暮らしなど幅広いジャンルを手掛け、2018年6月期末時点で52サイトを運営している。


1. 2018年6月期業績概要
2018年6月期の連結業績は、売上高で前期比7.2%増の4,715百万円、営業利益で同194.5%増の256百万円と増収増益決算となった。
主力のCMP事業の収益が急回復したことが要因だ。
同事業では新たに8つのサイトをオープンしたほか、事業譲受によりお金に関するWebメディア「マネーの達人」、映画レビューまとめサービス「coco」の運営を追加し、また、地方創生分野におけるデジタルマーケティング支援事業を行うネイティブ(株)を子会社化したこともあって、売上高で前期比8.3%増の3,945百万円と2期ぶりの増収となった。
営業利益は増収効果に加えて、広告宣伝費の削減や外注費の抑制に取り組んだことで同304.1%増の225百万円と3期ぶりの増益に転じた。
CMS事業は粗利率の低いリサーチ案件が増加したため、営業利益で前期比35.3%減の44百万円と落ち込んだものの、CMP事業の伸張でカバーした。


2. 2019年6月期業績見通し
2019年6月期は売上高で前期比1.8%増の4,800百万円、営業利益で同10.9%増の285百万円を見込む。
引き続きCMP事業において、M&Aや新規メディアの開発を進めていくほか、広告に依存しないビジネスモデルによる収益力の強化にも取り組んでいく。
ゲームアプリ内でプレイ時間に応じてトークンを発行し、サイトの活性化を図る新たな取り組みも2018年9月からスタートする。
そのほか、前期から開始したイベント事業(有料セミナー、海外視察ツアー、ユーザーイベント等)やBtoC向けのビジネス開発にも注力していく方針だ。
なお、会社計画にはM&Aにより今後新たに追加されるWebメディアやコンテンツ等の影響は織り込んでいない。
足元の収益力は着実に強化が進んでいることから、会社計画は達成可能な水準と弊社では見ている。


3. iid 5G Mobility戦略
同社は今後の成長戦略として、100年に一度の大変革と言われている自動車業界における第5次モビリティ革命を支援する新規事業「iid 5G Mobility」に注力していく方針を示している。
同社は自動車業界において「レスポンス」を始めとする複数のメディアを運営しているほか、リサーチ事業でも28年間の実績を有するなど、同業界において幅広いネットワークを構築しており、これらネットワークを活用しながらモビリティ・スマートサービス(MaaS※)の開発に取り組むベンチャー企業に対して、マーケティング支援、資本業務提携等を進めていく。
出資額については1件当たり数百~数千万円の規模を想定しており、2019月期中に複数案件を手掛けたい考えだ。
また、こうしたベンチャー企業をグループ化し、将来的にMaaS事業を1つの事業ポートフォリオとして育成していくことで、非連続的な成長を目指していく。


※MaaS:MaaSの代表例としてはカーシェアリングが挙げられるが、同社では新車販売からメンテナンス、給油、保険、中古車流通、リサイクルなど自動車に関わる既存のサービスを、スマートフォンやIoT、AI技術を活用した利便性の高いスマートサービスへと進化させたもの、また自動運転技術によって創出される新サービスも含めてMaaSと定義している。



■Key Points
・2018年6月期はCMP事業の収益改善施策が奏効し、過去最高売上げを更新、営業利益は3期ぶりの増益に転じる
・2019年6月期の業績計画は保守的で、上振れする可能性あり
・自動車産業における大変革時代の到来により急成長が見込まれるMaaS領域にフォーカスし、非連続的な成長を目指していく

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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