ドル/円
午後3時現在 87.10/15 1.2885/89 112.23/28
正午現在 87.26/27 1.2895/96 112.51/54
午前9時現在 87.40/42 1.2905/06 112.76/83
NY17時現在 87.46/50 1.2882/84 112.68/73
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 21日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時
点から小幅安の87円前半で推移している。朝方の87円半ばから、輸出企業の売りに押
されて87円前半へと緩やかに下落した。方向感は依然定まらず、市場では21、22日
のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言に注目が集まっている。
ドル/円は、海外市場で米国株の切り返しを背景に87.58円まで値を戻したものの、
アジア時間に入るとグローベックスの米国株先物がさえず、リスクを取りにくい地合いに
転じた。ユーロ/円などクロス円がジリ安となったほか、海外市場で1.3029ドルま
で上昇して2カ月ぶり高値をつけたユーロ/ドルにも利食い売りが優勢。ストレステスト
の結果発表が近づいて買い戻しへの安心感が薄れつつあり「1.30ドル台の重さが意識
される」(国内銀行)との声も上がった。
ドル/円については「売りそびれていた輸出企業があるようで、87円前半でも売りを
出している」(国内銀行)ことも圧迫要因になったという。「従来のサポートだった
86.96円(7月1日安値)を抜けて円高が進行したことで、逆にここが売りを出す目
安になっており、実需の売りが下りてきている」(セントラル短資FX執行役員、武田明
久氏)とみる声が聞かれた。
<FRB議長証言では追加緩和方針見送りか>
前日の海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)による銀行の準備預金金利の引き下
げ観測が浮上、バーナンキFRB議長がきょうの議会証言で新たな対応方針を打ち出すか
に注目が集まっている。
みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、6月のFOMC議
事録以降の経済指標に弱いものが多いことを指摘、「景気認識は議事録より慎重なものに
なる可能性がある。議事録に示されたように、目立って景気が悪化すれば追加緩和もあり
うるとの姿勢を示す可能性もあるだろう。しかし、具体的な緩和策までは踏み込まない」
とみている。
唐鎌氏は、準備預金金利を引き下げても融資拡大効果は限定的であり、住宅ローン金利
が大幅に低下しているなかではMBS追加購入の意味も薄いとして「現在必要なのは需要
の創出という財政政策であり、金融にできることは限られている。また、中間選挙が控え
ていることを考えれば、カードは温存したいところだろう」(唐鎌氏)としている。
バーナンキ議長が21、22日の議会証言で追加緩和策を打ち出さなかった場合「為替
市場にも一時的に失望感が出てドル/円が売られるかもしれないが、長続きする材料には
ならない」(唐鎌氏)と予想している。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)