ドル/円
正午現在 82.01/06 1.3607/08 111.62/64
午前9時現在 82.09/11 1.3572/73 111.41/46
NY17時現在 82.09/13 1.3610/16 111.76/80
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[東京 31日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比
べややドル安の82円前半。午前の外為市場は前週末からの流れを引き継ぎ、ユーロが安
値圏で推移した。ドル/円は早朝に1カ月ぶりの安値をつけたものの、その後は値ごろ感
から輸入勢や個人に買われ、やや戻した。
エジプトの政治的混乱が拡大したことをきっかけに、前週末にユーロは1.3584ド
ルまで下落。きょうはさらに下値を伸ばし、一時1.3570ドルをつけた。その後も軟
調気味で推移し、1.35ドル台後半近辺でもみ合った。
欧州が地政学的に中東に近いという側面もあるが、1月に入ってユーロの上昇が続いて
きたことから、利益確定売りの絶好の機会となった。「ECB(欧州中央銀行)がインフ
レを警戒する言動を示したことなどを材料にユーロは買われてきたが、欧州の債務問題が
解決したわけではなく、みんな利食いのタイミングを図りかねていた」(バンクオブアメ
リカ・メリルリンチのFXストラテジスト、藤井知子氏)との声が聞かれた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が28日発表したIMM通貨先物の取組(1月25
日までの週)によると、ユーロの買い越しは2万2901枚に大幅増加し、11月9日ま
での週以来の高水準となった。ユーロは前週、約2カ月ぶりに買い越しに転じていた。一
方、ドルの売り越しは2カ月ぶりの水準に増加した。
<エジプト情勢、影響読み切れず>
ドル/円は前週末に82円を割り込んで下落したことから、早朝に個人の売り注文が重
なり、ストップを巻き込んで一時81.77円まで下落した。ただ、その後は値ごろ感か
ら輸入勢や個人に買い戻された。「82円付近は結構底堅い印象だ」(邦銀)という。
エジプト情勢が短期的な材料で終わるのか、影響はさらに拡大してくのか、市場関係者
は今後の展開を図りかねている。「単に30年続いた独裁政治が転覆するだけで終わるの
か、さらに波及するのか、現段階では分からない。スエズ運河の航路や石油価格の問題、
イスラエルも絡む。場合によっては反米色がアラブ圏に強まる可能性もある」(みずほ証
券為替アナリストの鈴木健吾氏)との指摘があった。「為替市場は消化不良になっている
ので、当面は分かりやすい米経済指標や欧州の債務問題に目が向くと思う」(同)とい
う。
エジプトではムバラク大統領の辞任を求めるデモと治安部隊が衝突し、100人以上の
死者が出ている。他の中東諸国にも混乱が拡大するとの懸念から、前週末のニューヨーク
市場では米国債が買われ、米長期金利が低下。日米金利差縮小の思惑から、ドル/円は一
時82円台を割り込んだ。安全資産を求める動きから、ユーロはスイスフランとドルに対
して売られ、対円でも下落した。豪ドルも値を下げた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)