[北京 11日 ロイター] - 中国が4月にロシアから輸入した原料炭は137万トンと過去最高を記録したことが調査会社Kplerのデータで明らかになった。
3月の92万2673トン、前年同月の75万トン弱から増加した。2021年の原料炭の総輸入量は1カ月当たり455万トンだった。
対ロシア制裁により銀行が信用状の発行を停止したため、中ロの石炭取引は2月下旬に停滞した。しかし中国の一部の銀行が特定の顧客に対し信用状に関する制限を緩和したため、3月に貿易が再開した。
北京の石炭トレーダーは、信用状を取得できる企業は安いロシア産石炭を自社用だけでなく、決済が困難な企業への転売目的で積極的に買っていると述べた。
リフィニティブのデータによると、4月のロシア産一般炭と原料炭の輸入量は437万トンと前月の2倍となった。
ロシアの輸出業者による大幅な値引きが奏功している。トレーダーによると、4月に中国北部の港で取引されたロシア産プレミアム原料炭は平均1トン=386ドルで、同品質のオーストラリアの原料炭の473ドルを下回った。
市場関係者は4月の石炭輸入ラッシュは5月上旬まで続きそうだが、その後は新型コロナウイルス対策の行動制限の影響で鈍化する可能性があると指摘する。
山東省の原料炭トレーダーは「中国の最終消費は現在非常に弱い。製鉄所は利益率が低く生産を増やしたがらない」と述べた。