[東京 29日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 17774.51 -21.22 寄り付き 17666.91 安値/高値 17651.49─17778.44
東証出来高(万株) 115073 東証売買代金(億円) 11276.83
前場の東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反落。前日の米株安など外部要因を嫌気し、 一時140円超の下落となった。主力輸出株がさえない値動きとなる一方、医薬品などの ディフェンシブ関連の一角は上昇。国内企業の業績期待や、日本株に対する需給面での下 値安心感を支えに、下げ渋る展開となった。
米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)声明で景気判断を上 方修正し、年内に利上げを開始する姿勢を維持していることが示唆された。同声明を受け 、米国市場ではダウ .DJI とS&P総合500種 .SPX が1%超の下落。原油価格の下落 でエネルギー関連株にも売りが広がった。
こうした流れを引き継ぎ、東京市場では売りが先行。市場予想を下回る業績見通しを 発表したキヤノン 7751.T や任天堂 7974.T 、日立建機 6305.T やコマツ 6301.T などの 下げが目立つ一方、原油安や円安に伴う企業業績への期待感から、指数は下げ渋る展開と なった。取引時間中に、ドルが118円台前半まで強含んだことも支援材料となった。セ クター別では医薬品などが上昇。半面、機械やその他製品は下落した。
エース経済研究所の子幡健二社長は「米国の株式市場ではFOMC(声明)がタカ派 的ととらえられたほか、原油価格の下落やドル高による米企業業績の悪化が意識され、調 整が進んでいる」と指摘。一方で、公的年金による日本株買い観測が広がる国内では「原 油安・円安はプラス要因となり、企業業績や需給環境の両面で日米株に差が生じている」 とし、日本株に対しては当面、底堅い展開が続きそうだとの見方を示している。
個別銘柄では スカイマーク 9204.T がストップ安売り気配。東京証券取引所が28 日、スカイマーク株式を同日付で整理銘柄に指定し、3月1日に上場を廃止すると発表し たことで、処分売りの動きが広がった。半面、ルネサスエレクトロニクス 6723.T は大幅 高。2014年4─12月期の連結業績予想を上方修正するとの発表が材料視された。
東証1部の騰落数は、値上がり671銘柄に対し、値下がりが1032銘柄、変わら ずが158銘柄だった。
(長田善行)