ドル/円
正午現在 80.54/59 1.4393/95 115.94/99
午前9時現在 80.78/82 1.4385/88 116.23/28
NY17時現在 80.62/65 1.4308/13 115.76/81
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[東京 9日 ロイター] 正午のドル/円
から小幅安の80円半ば。ギリシャのユーロ離脱報道を受けたユーロ売りは一巡し、序盤
はリスク選好地合いがやや先行した。そろって弱含んだドルと円は、米長期金利の低下を
受けてドル売りが優勢となった。
<80.85円付近に売り注文並ぶ>
前週末の米雇用統計の内容が市場予想を上回ったことが好感され、朝方は投資家のリス
ク許容度が改善。原油が反発したほか、ユーロが買い戻され、豪ドルも引き続き選好され
た。とりわけ6日の欧米時間に大きく下落したユーロ/円が上昇し、つられてドル/円も
80.84円まで強含んだ。
しかし反発して始まった日経平均が下落に転じると、クロス円は上げ幅を縮小。ドル/
円は80.52円までゆっくりと下落した。80.85円付近にドル/円の売り注文が並
んでいたことや、雇用統計の好結果にもかかわらず、米長期金利がさえなかったこともド
ル/円の上値を重くした。米国の量的緩和第2弾(QE2)終了を見越して米国債はいっ
たん売られたが、このところの米経済指標が弱く、買い戻す動きが活発化していた。「そ
ろそろポジション調整が一巡したという見方も一部ではあるが、雇用統計後の動きを見る
と、もう少し下押しがありそうだ」(JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジ
ストの棚瀬順哉氏)との声が聞かれた。
<米中戦略・経済対話に注目>
独シュピーゲル誌が報じたギリシャのユーロ離脱はユーロ売りの口実としておおかた消
化されたものの、周辺国の債務問題は依然としてくすぶる。ユーロは買い持ちが大きく積
み上がっているうえ、ユーロ圏の利上げ期待が後退しており、悪材料が出れば売られやす
い。「ギリシャが離脱することは100%ないだろうが、こういう話が出てくるときは何
か悪い事態が起ころうとしている。ギリシャの追加支援という話なのだと思う」(みずほ
コーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との声が聞かれた。「追加支
援をめぐってドイツで内輪もめが起きて、そのうちにユーロが下落する。1年前と同じ相
場になると思う」(同)という。
この日は材料が乏しい中、ワシントンで9─10日に開催の米中戦略・経済対話が注目
されている。「人民元高/ドル安が意識され、ドル安/円高につながりやすい。ネタにな
る可能性がある」(国内金融機関)との指摘があった。人民元の対ドル相場は最高値を更
新中。前週末はやや一服したものの、「少し中休みだろう。休みは一時的なもので、今後
も高値は更新されるだろう」(中国系銀行)との声が聞かれた。昨年6月の弾力化以降の
上昇率は5.1%、今年初めからは1.5%。
(ロイターニュース 久保 信博記者)