[26日 ロイター] - 今夏の東京五輪を巡り、新型コロナウイルスを巡る懸念から開催が断念されるのではないかとの憶測が浮上する中、米フロリダ州のパトロニス最高財務責任者(CFO)は、同州への開催地変更を検討するよう国際オリンピック委員会(IOC)に要請した。
英タイムズ紙は先週、日本政府が新型コロナウイルス感染症流行のため、東京五輪を中止せざるを得ないと非公式に結論付けたと報じた。
東京五輪の大会組織委員会は、中止や再延期の可能性を否定している。
パトロニス氏は、IOCのバッハ会長に今週送った書簡で「会場を選ぶチームをフロリダに派遣し、州・地方当局者と同州での五輪開催について会談する時間はまだある」とし、フロリダへの誘致の機会を歓迎する立場を示した。
IOCはロイターへの電子メールで、パトロニス氏から書簡は受け取っていないとし、今夏の東京大会開催に向けた決意を表明した22日の声明に言及した。
五輪開催に必要な準備や計画を踏まえると、開幕まで半年を切る中での開催地変更はほぼ不可能だ。
パトロニス氏は書簡の中で、フロリダ州のワクチン接種体制の堅固さや、新型コロナ流行下で同州において複数のスポーツイベントを開催した実績などを強調した。
新型コロナによるフロリダ州の死者数は、累計2万5000人を超える。日本国内の死者は先週末に5000人を超えた。