[ドバイ 14日 ロイター] - サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会では、飲酒したファンが酔いを覚ますためのエリアを設ける予定だと、大会組織委員会の最高責任者であるナセル・アル・ハテル氏がテレビのインタビューで語った。
来月20日に開幕する同大会は、アルコール飲酒に対する取り締まりが厳しいイスラム教国で開催される初めてのW杯となる。ただ、W杯ではビールを飲むファンが多く、さらにスポンサーも世界的なビールメーカーであることから、大会主催者にとっては難しい課題となっている。
関係筋の話では、今大会ではチケットを持つ観客に対するビール販売が試合開始3時間前と試合終了後1時間に限り認められるとのこと。なお、ビールを販売するのはW杯の主要スポンサーで、大会でのビール販売の独占権を持つバドワイザー。ビールはチケット保有者がアクセスできる各スタジアムの周辺エリアで販売されるが、スタジアムの客席やコンコースでは販売されないという。
アル・ハテル氏は13日に放映された英スカイニュースのインタビューで、「過度の飲酒をした場合、酔いを覚ますための計画があることを認識している」と述べ、そのような人々の安全を確保し、他人やその人自身に害がないことを確実にするためであり、「良い考え」だと語った。
また、カタールでは中東の多くの国々と同様に、同性愛は違法とされている。LGBTQ+(性的少数者)に向けたメッセージを求められたアル・ハテル氏は「ここでは誰もが歓迎されるし、カタールに来たら、皆さん安全だと感じることができるだろう」とコメント。
そのメッセージについて、同性愛者のファンが公共の場で手をつなぐことも含まれるかと問われると、同氏は「イエス」と答え、さらに、それがLGBTQ+に安心感を与えるためのメッセージとして捉えていいのかと問われると、再び「イエス」と答えた。