[北京/台北 16日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は16日に開幕した中国共産党大会の活動報告で、台湾問題の解決は中国国民自らが決定する事項との認識を示し、この問題で武力行使の権利を放棄しないが、平和的解決を目指すと表明した。
この発言に台湾当局は反発し、自らの主権で一歩も引かないとした。
中国はペロシ米下院議長の8月の訪台以来、台湾への軍事圧力を強めている。
習氏は、中国は台湾の人々を常に「尊重、配慮し、利益をもたらしてきた」と主張し、中台間の経済的・文化的交流推進にコミットしているとした。「われわれは最大の誠意と最善の努力で平和的統一の展望を目指すことを主張するが、武力行使の権利を放棄することは決して約束せず、あらゆる必要な措置を取る選択肢を留保する」と述べた。
武力行使という選択肢は、大多数の台湾人ではなく、外部勢力と「ごく少数の」台湾独立支持者による「干渉」に対応するものとした。
国家統一と中華民族の復興という歴史的車輪は前に突き進んでいるとし、「祖国完全统一」は「実現する必要があり、必ず実現できる」と強調、長い拍手がわき起こった。
これに対し、台湾総統府は台湾は独立した主権国家であるした上で、「国家主権で一歩も引かず、民主主義と自由で妥協せず、戦場で向き合うことは中台双方にとって選択肢では全くないというのが台湾の断固たる立場」と反論した。