[台北 20日 ロイター] - 台湾の安全保障当局のトップは20日、中国の習近平国家主席が台湾攻撃に踏み切れば、全中国人に対する「罪人」となると指摘し、中国は国際的な制裁と外交的孤立に直面して戦争には勝てないとの認識を示した。
中国はここ2年にわたり、台湾への軍事的・政治的圧力を強めている。習主席は16日、中国共産党大会での活動報告で、台湾問題の解決は中国国民自らが決定する事項とし、この問題で武力行使の権利を放棄しないが、平和的解決を目指すと表明した。
台湾国家安全保障局の陳明通局長は、立法院(国会に相当)の合間に、習氏が台湾を攻撃するという脅しを実行に移せば、災難に見舞われることになると記者団に指摘。「台湾攻撃に武力を行使して勝つ可能性はない」と述べ、 中国が国際的な制裁を受け、外交的に孤立するだろうと指摘した。
その上で、中国国籍の人でなく民族的な用語を使い、「習氏は中国人のいわゆる偉大な復興を放棄し、中国人の罪人になるだろう」と述べた。
台湾は、台湾市民のみが自らの将来を決めることができると主張している。陳局長は「台湾と中国が相互に尊重し、それぞれが発展していくことが民に幸福をもたらす道であることは明らかだ」と語った。