[29日 ロイター] - ロシアのリャプコフ外務次官は29日、核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)を巡る米国との協議を中止する以外の「他の選択肢はない」と述べた。ロシア国営通信社RIAノーボスチが報じた。
リャプコフ外務次官は、ウクライナを巡る状況を見る限り「他の選択肢はないような状況だ。今回の決定は政治的なレベルでなされた」と指摘。「米国は査察の再開というトピックのみに焦点を当てた。一方、他の問題の解決はこれまでも、そしてこれからもわれわれの優先事項だ」とした。
また「われわれは繰り返しわれわれの立場を説明してきたが、米国側からその方向に進もうとする意欲を少しも感じなかった」とし、ロシアは米ロ間の核関連問題の多くをカバーする「戦略的安定性」という、より広範な問題について議論したかったとした。
その上で、ロシアは新STARTを巡る協議に前提条件を付けているわけではないが、「バランスのとれたプログラム」を確認したいと言及。年内に協議が開催される可能性は低いとした。
ロシア外務省と米大使館は28日、29日に再開が予定されていた新STARTを巡る協議が延期されたと発表。米国務省の報道官は新STARTを巡る協議をロシアが「一方的に延期した」と述べていた。