[ロンドン 22日 ロイター] - 英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)は22日に発表した報告書で、ウクライナでの戦闘はロシアが抱く通常戦力に対する信頼を下げたとし、将来紛争が起きた場合には北大西洋条約機構(NATO)から守り、打ち負かす手段としてロシアが非戦略核兵器(NSNW)の重要性を高めているとの見解を示した。
報告書は西側諸国は核兵器で対抗する決意を欠くとロシアが見なし、NSNWの利用を勢いづかせる可能性があるのではないかとの問題を提起した。
報告書は「西側が核兵器を使用する、あるいは紛争でさらに犠牲者を出すことを受け入れるという確たる意志がないとのロシア側の認識は、ロシアがNSNWに対する積極的な考え方と方針を一段と強化する」と指摘した。
報告書は、NSNWを使用するロシア側の論理は制御された形で紛争をエスカレートさせることにあるとして「米国とNATOが関与することを阻止するか、ロシアの条件下で戦闘終結を強要することだ」と指摘した。
NSNWは射程距離が5500キロまでの核兵器を指し、戦場での使うことを目的とした戦術兵器などが含まれる。ロシアが米国へ向けた攻撃に使い得る長距離の戦略核兵器はNSNWに含まれない。