■要約オープンドアは、日本最大級の旅行比較サイト「トラベルコ」の運営を中心にインターネットコンテンツの企画運営、ソフトウェア開発を行うWebサービスプロバイダーである2019年3月期はテレビCM等を中心に広告投資が奏功したこともあり、当初の目標認知率37%を上回る41%を達成し、大幅な増収増益を達成し、過去最高の売上高、営業利益を達成した日本のオンライン旅行市場、インバウンド市場の成長の波に乗り、2020年3月期も2ケタの増収増益を狙う1. 事業概要主力サービスの「トラベルコ」は(株)JTB、エイチ・アイ・エス
、じゃらんnet(リクルートホールディングス)、楽天トラベル(楽天)、Expedia(エクスペディア)、Booking.com(ブッキング・ホールディングス)など、国内外700以上の予約サイトと連携し、これらの予約サイトの商品を横断的に検索し、比較できる旅行メタサーチサイト※1である同業他社はホテルだけ、航空券だけ、などジャンルを絞った比較が中心だが、トラベルコはパッケージツアー、ホテル、格安航空券、ダイナミックパッケージツアー※2など、ほぼすべてのジャンルをカバーしており、自分の旅行をワンストップで探すことができるまた、比較できる旅行サイト数が700以上とプランの数も日本最大級であり、必然的に最安値が見つかる確率が高い旅行サイト側からの提供価格も低くなるため、圧倒的な価格競争力を実現しているなお、2019年 オリコン顧客満足度®調査の旅行比較サイトランキングで、格安ホテル、格安航空券の両方で総合1位に選ばれているこのことからも、「トラベルコ」が高いブランド力が示されている※1 メタサーチサイト:複数の検索エンジンに対して一括で検索を行う横断検索システム※2 ダイナミックパッケージツアー:ホテルや航空券などをインターネット上で自由に組み合わせることができ、通常のパックツアーにない旅程を組むことができる、インターネット上で予約が完結できるツアー形態のこと海外及びインバウンド市場向けには海外版「トラベルコ」として、多言語旅行比較サイト「TRAVELKO」をサービス提供しているその他にも、海外及びインバウンド市場をターゲットとした “伝統工芸作品” を世界へ紹介する、伝統工芸品紹介サイト「GALLERY JAPAN」「KOGEI JAPAN」を運営している2. 2019年3月期業績同社は2019年3月27日に通期業績予想の修正を発表した期首時点では広告予算枠に幅を持たせていたため、業績予想はレンジ形式での開示としていたが、売上高は予想レンジの上限に近い水準に、各段階利益については予想レンジの上限を上回る水準に修正し、最終的には修正後の業績予想どおりに着地した2019年3月期の業績は、売上高4,969百万円(前期比23.9%増)、営業利益1,703百万円(前期比47.4%増)と、経常利益1,708百万円(前期比46.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,099百万円(前期比45.3%増)となり、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した3. 今後の見通し2020年3月期は、引き続き「認知率」を最重要視し、テレビCM等で認知率47%以上を目標とする売上高は6,000百万円(前期比20.7%増)、営業利益2,200百万円(前期比29.2%増)、経常利益2,200百万円(前期比28.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,320百万円(前期比20.1%増)と、2ケタの増収増益を見込んでいる日本市場のプロモーションについては前期を基準に約15億円と想定し、加えて期中での追加投資や海外市場におけるプロモーションの可能性を織り込み、広告予算を設定しているトラベルコの強みは、サービス面ではほぼすべての旅行ジャンルをカバーできていること、プラン・チケットの最安値が見つかることであり、自社体制としてほぼすべてのシステム開発を内製化できており、品質・スピードとも高い水準で開発に臨めることであるこの強みを生かし、日本国内では、口コミ情報の拡充、横断比較サービスのメニュー拡大など、既存メニューの強化・拡充に取り組む海外やインバウンド市場では、各国ローカル旅行会社との連携強化、多言語の口コミ情報強化などに取り組み、中長期的にはグローバル市場でユーザー選択肢のNo.1となるサイトを目指す■Key Points・テレビCMの効果が大きく、旅行比較サイト「トラベルコ」の認知率が上昇し大幅増収増益達成・2020年3月期も好調持続で2ケタ増収増益を見込む・旅行市場の成長を背景に認知率の上昇に努め、グローバル市場でのNo.1を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)