■業績動向
1. 2017年8月期業績
2017年8月期決算より、連結決算を開始した。
2017年8月期は、「農家の直売所」を国内だけでなく海外にも展開を始め、連結では売上高1,659百万円、営業利益は131百万円となった。
農業総合研究所 (T:3541)がKPIとしている数値は、流通総額、店舗数、生産者数であり、流通総額はスーパー等において最終消費者が購入した最終販売価格の総計を言う。
期末時点で、流通総額は7,089百万円、店舗数は996店舗、生産者数は6,830名となり順調に増えてきている。
単体の業績では、売上高は前期比134.2%、営業利益は前期比102.7%と前年を上回り、4期連続で増収増益を達成した。
単体でのKPIは、流通総額7,058百万円(前期比127.8%)、店舗数992店舗(前期比312店舗増)、生産者数は6,830名(前期比1,065名増)となった。
流通総額は4年で4倍に拡大した。
後に触れるように、2017年8月期からの3ヶ年は、さらなる流通総額拡大のために再び投資フェーズに入る見込み。
また、同社は人員の投下に合わせて流通総額が増加する傾向にあり、2018年8月期は引き続き人員投資フェーズとなる。
店舗数の992店舗は4年で6倍に拡大していることになる。
特に2017年8月期は、上場の効果もあり店舗数が飛躍的に伸びた。
店舗数に関しては、消費者の産直野菜に対する需要が引き続き強く、同社は今後も伸びる見込みとしている。
登録生産者数は、2017年8月末時点で6,830名となっており、特に第3四半期より新規登録に注力をした結果、登録者数の伸びが加速した。
なお、集荷場の数は2017年8月末時点で69ヶ所あり、そのうちFC集荷場は49ヶ所ある。
これで導入された産地は27都道府県となる。
単体の業績概要だが、売上高は新規出店及び生産者増加に伴う買取委託が売上高をけん引した。
売上総利益は、買取委託の増加に伴う売上構成比の影響を受け粗利率は前期比で減少したが、営業利益は人員などの先行投資コストが増加したものの前期比で増加した。
2. 財務状態
貸借対照表では、取引ボリュームの拡大により現金及び預金が880百万円(連結)、売掛金が401百万円(連結)となり総資産が拡大している。
3. 2017年8月期の主なトピックス
(1) 2017年7月にJAL、農業総合研究所、世界市場の3社で連携協定を締結
今回の提携は日本産農産物の国内流通と、さらに、世界への輸出拡大を目指し連携したもの。
日本国内の集荷拠点を順次拡大し、羽田を基点とするJAL国内線と国際線ネットワークの組み合わせにより、国内流通の促進と海外の消費者に日本産農産物を手頃な価格で提供することで流通の拡大を目指す。
2017年8月より、北海道の集荷拠点より香港へ航空輸送して、現地提携スーパーに「Nippon Ichiba」を活用した販売を開始、将来的にはシンガポール、台湾等へ販路を拡大する予定。
(2) 2017年6月クールジャパン機構が世界市場の第三者割当増資を引き受け
クールジャパン機構は、農業総合研究所の子会社の世界市場で展開する香港での日本の青果物の輸出販売事業の立ち上げを支援すべく、世界市場に対して最大366百万円の投融資を決定した。
これにより、香港の数多くの食品スーパーに野菜や果物といった日本の青果物を、より手頃な価格で届けることで現地の顧客層と消費量を拡大し、獲得した外需を国内の生産者の手取りとして還元する仕組みを構築することになる。
同時にこの仕組みを広く活用可能な輸出拡大プラットフォームとして充実させ、国産農産物の販路拡大を促進させる。
(3) 全国地方銀行との提携を推進
全国の地方銀行との業務提携を進めている。
具体的には、地方銀行の顧客の経営診断、コンサルティング、事業承継、企業参入支援、ビジネスモデル構築、事業戦略構築支援、ビジネスマッチング、6次産業化支援等であるが、全国の地方銀行からの要請も多く、現在7行と既に業務連携を行った。
これにより、地域ネットワークを利用した事業の深掘りを推進することができる一方、地方創生にも貢献できることになる。
(4) 2017年8月31日を基準日として株式分割を実施
普通株式1株を2株の割合で株式分割を実施した。
同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、同社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ったものである。
4. 2018年8月期の見通し
2018年8月期も引き続き高い成長が続く見込みで、2017年8月期に増加した導入店舗や登録生産者が通年で寄与し、新規スーパー等へ積極的な営業活動及び業務提携を引き続き実施し、流通総額が拡大する見込みだ。
後で触れるように、2018年8月期は投資を積極的に行う。
中長期的な流通総額の拡大を見据え、生産者とスーパー等をつなぐ物流プラットフォームの最構築を実施する。
2018年8月期の連結業績見通しは、売上高2,270百万円(前期比36.8%増)、営業損失100百万円、親会社株主に帰属する当期純損失70百万円となる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)
1. 2017年8月期業績
2017年8月期決算より、連結決算を開始した。
2017年8月期は、「農家の直売所」を国内だけでなく海外にも展開を始め、連結では売上高1,659百万円、営業利益は131百万円となった。
農業総合研究所 (T:3541)がKPIとしている数値は、流通総額、店舗数、生産者数であり、流通総額はスーパー等において最終消費者が購入した最終販売価格の総計を言う。
期末時点で、流通総額は7,089百万円、店舗数は996店舗、生産者数は6,830名となり順調に増えてきている。
単体の業績では、売上高は前期比134.2%、営業利益は前期比102.7%と前年を上回り、4期連続で増収増益を達成した。
単体でのKPIは、流通総額7,058百万円(前期比127.8%)、店舗数992店舗(前期比312店舗増)、生産者数は6,830名(前期比1,065名増)となった。
流通総額は4年で4倍に拡大した。
後に触れるように、2017年8月期からの3ヶ年は、さらなる流通総額拡大のために再び投資フェーズに入る見込み。
また、同社は人員の投下に合わせて流通総額が増加する傾向にあり、2018年8月期は引き続き人員投資フェーズとなる。
店舗数の992店舗は4年で6倍に拡大していることになる。
特に2017年8月期は、上場の効果もあり店舗数が飛躍的に伸びた。
店舗数に関しては、消費者の産直野菜に対する需要が引き続き強く、同社は今後も伸びる見込みとしている。
登録生産者数は、2017年8月末時点で6,830名となっており、特に第3四半期より新規登録に注力をした結果、登録者数の伸びが加速した。
なお、集荷場の数は2017年8月末時点で69ヶ所あり、そのうちFC集荷場は49ヶ所ある。
これで導入された産地は27都道府県となる。
単体の業績概要だが、売上高は新規出店及び生産者増加に伴う買取委託が売上高をけん引した。
売上総利益は、買取委託の増加に伴う売上構成比の影響を受け粗利率は前期比で減少したが、営業利益は人員などの先行投資コストが増加したものの前期比で増加した。
2. 財務状態
貸借対照表では、取引ボリュームの拡大により現金及び預金が880百万円(連結)、売掛金が401百万円(連結)となり総資産が拡大している。
3. 2017年8月期の主なトピックス
(1) 2017年7月にJAL、農業総合研究所、世界市場の3社で連携協定を締結
今回の提携は日本産農産物の国内流通と、さらに、世界への輸出拡大を目指し連携したもの。
日本国内の集荷拠点を順次拡大し、羽田を基点とするJAL国内線と国際線ネットワークの組み合わせにより、国内流通の促進と海外の消費者に日本産農産物を手頃な価格で提供することで流通の拡大を目指す。
2017年8月より、北海道の集荷拠点より香港へ航空輸送して、現地提携スーパーに「Nippon Ichiba」を活用した販売を開始、将来的にはシンガポール、台湾等へ販路を拡大する予定。
(2) 2017年6月クールジャパン機構が世界市場の第三者割当増資を引き受け
クールジャパン機構は、農業総合研究所の子会社の世界市場で展開する香港での日本の青果物の輸出販売事業の立ち上げを支援すべく、世界市場に対して最大366百万円の投融資を決定した。
これにより、香港の数多くの食品スーパーに野菜や果物といった日本の青果物を、より手頃な価格で届けることで現地の顧客層と消費量を拡大し、獲得した外需を国内の生産者の手取りとして還元する仕組みを構築することになる。
同時にこの仕組みを広く活用可能な輸出拡大プラットフォームとして充実させ、国産農産物の販路拡大を促進させる。
(3) 全国地方銀行との提携を推進
全国の地方銀行との業務提携を進めている。
具体的には、地方銀行の顧客の経営診断、コンサルティング、事業承継、企業参入支援、ビジネスモデル構築、事業戦略構築支援、ビジネスマッチング、6次産業化支援等であるが、全国の地方銀行からの要請も多く、現在7行と既に業務連携を行った。
これにより、地域ネットワークを利用した事業の深掘りを推進することができる一方、地方創生にも貢献できることになる。
(4) 2017年8月31日を基準日として株式分割を実施
普通株式1株を2株の割合で株式分割を実施した。
同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、同社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ったものである。
4. 2018年8月期の見通し
2018年8月期も引き続き高い成長が続く見込みで、2017年8月期に増加した導入店舗や登録生産者が通年で寄与し、新規スーパー等へ積極的な営業活動及び業務提携を引き続き実施し、流通総額が拡大する見込みだ。
後で触れるように、2018年8月期は投資を積極的に行う。
中長期的な流通総額の拡大を見据え、生産者とスーパー等をつなぐ物流プラットフォームの最構築を実施する。
2018年8月期の連結業績見通しは、売上高2,270百万円(前期比36.8%増)、営業損失100百万円、親会社株主に帰属する当期純損失70百万円となる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)