■事業部門別詳細と中長期の考え方
3. ロジスティクス事業
(1) 事業の概要
ロジスティクス事業は、2015年10月にウイルコホールディングス (T:7831)からDM発送代行事業を営む子会社エルネットの全株式を取得してスタートした事業だ。
その後、サイネックス (T:2376)の連結子会社である(株)サイネックス・ネットワークのポスティング事業と合わせて、2016年4月からロジスティクス事業となった。
ポスティング事業は『わが街事典』や『テレパル50』の配本が中心とみられるため、ロジスティクス事業の中核事業はエルネットのDM発送代行事業ということになる。
DM発送代行事業のビジネスモデルは、日本郵便(株)の“ゆうメール”について、スケールメリットを生かして大口割引契約に基づく特別料金で郵送する枠を仕入れ、その枠を使って割安に郵便を送る小口にして顧客(自治体や事業者など)に販売するというものだ。
顧客のメリットとしては、郵送料金のコストダウンを図れることがある。
またエルネットでは、DMの編集・制作、封筒制作、封入封緘、宛名印字、郵便番号仕訳、郵便局差出等、一連の業務をワンストップで受託するサービスも提供している。
(2) 事業の成長性と進捗状況
EC全盛の現況においても、紙媒体のDM需要は緩やかながら着実に伸びている。
ECやリアル店舗という買い方の手法と、紙媒体やネット広告といった宣伝の手法とは、1対1の対応関係にあるわけではなく、“EC拡大のためにはインターネット広告が有効”という考え方は既に過去のものとなっている。
こうしたことを背景にDMなど紙媒体の見直しが進んでいると考えている。
エルネットがフル連結となった2017年3月期のロジスティクス事業の売上高は2,443百万円(外部売上高)となった。
同社は事業セグメント別売上高予想を開示していないが、弊社では過去のエルネットの業績をもとに、2017年3月期のセグメント売上高は2,200~2,300百万円と想定していた。
実績はこれを100百万円以上上回っており、この差が同事業の持つ成長性を表していると考えられる。
前述のようなECの成長、及びECと紙媒体広告の有効性の再認識の動きから、この傾向は今後も継続すると弊社では考えている。
収益性についても改善の余地はあると考えている。
ゆうメールの発送枠を再販するという事業モデルであるため、この点で大きく利益を伸ばすことは期待しにくい。
しかし、DMの制作から発送までを一貫して請け負う注文が増えれば、そこで利益を伸ばすことは期待できる。
利益率の伸長はなかなか進まない可能性もあるが、利益額の伸長はDM制作で着実に伸ばせると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
3. ロジスティクス事業
(1) 事業の概要
ロジスティクス事業は、2015年10月にウイルコホールディングス (T:7831)からDM発送代行事業を営む子会社エルネットの全株式を取得してスタートした事業だ。
その後、サイネックス (T:2376)の連結子会社である(株)サイネックス・ネットワークのポスティング事業と合わせて、2016年4月からロジスティクス事業となった。
ポスティング事業は『わが街事典』や『テレパル50』の配本が中心とみられるため、ロジスティクス事業の中核事業はエルネットのDM発送代行事業ということになる。
DM発送代行事業のビジネスモデルは、日本郵便(株)の“ゆうメール”について、スケールメリットを生かして大口割引契約に基づく特別料金で郵送する枠を仕入れ、その枠を使って割安に郵便を送る小口にして顧客(自治体や事業者など)に販売するというものだ。
顧客のメリットとしては、郵送料金のコストダウンを図れることがある。
またエルネットでは、DMの編集・制作、封筒制作、封入封緘、宛名印字、郵便番号仕訳、郵便局差出等、一連の業務をワンストップで受託するサービスも提供している。
(2) 事業の成長性と進捗状況
EC全盛の現況においても、紙媒体のDM需要は緩やかながら着実に伸びている。
ECやリアル店舗という買い方の手法と、紙媒体やネット広告といった宣伝の手法とは、1対1の対応関係にあるわけではなく、“EC拡大のためにはインターネット広告が有効”という考え方は既に過去のものとなっている。
こうしたことを背景にDMなど紙媒体の見直しが進んでいると考えている。
エルネットがフル連結となった2017年3月期のロジスティクス事業の売上高は2,443百万円(外部売上高)となった。
同社は事業セグメント別売上高予想を開示していないが、弊社では過去のエルネットの業績をもとに、2017年3月期のセグメント売上高は2,200~2,300百万円と想定していた。
実績はこれを100百万円以上上回っており、この差が同事業の持つ成長性を表していると考えられる。
前述のようなECの成長、及びECと紙媒体広告の有効性の再認識の動きから、この傾向は今後も継続すると弊社では考えている。
収益性についても改善の余地はあると考えている。
ゆうメールの発送枠を再販するという事業モデルであるため、この点で大きく利益を伸ばすことは期待しにくい。
しかし、DMの制作から発送までを一貫して請け負う注文が増えれば、そこで利益を伸ばすことは期待できる。
利益率の伸長はなかなか進まない可能性もあるが、利益額の伸長はDM制作で着実に伸ばせると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)