■要約
エレマテック (T:2715)は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。
2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した。
その後2011年度に豊田通商 (T:8015)グループ入りした。
1. 2018年3月期は中小型液晶用部材の減少を自動車向けなどでカバーし、増益で着地
同社の2018年3月期は、売上高196,238百万円(前期比3.3%減)、経常利益6,085百万円(同14.5%増)と減収ながら増益で着地した。
主力商材の中小型液晶ディスプレイ向け材料が、スマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けて大幅減収となったが、自動車向けや産業機器等向け商材、黒物家電向け商材など他の分野で売上げを伸ばした。
スマートフォン市場向けの減収インパクトを完全に吸収しきれず減収となったが、利益面ではプロダクトミクス(製品構成)の変化により利益率が改善し、計画を上回る増益となった。
仕入側・販売側双方の多数の顧客と、幅広い商材及び成長市場の変遷を素早くキャッチする適応力の高さという同社の強みが、遺憾なく発揮された決算であったと言える。
2. グローバル化と付加価値創造を核とした中長期戦略は順調に進捗中
同社は中長期戦略として、“グローバルに高付加価値ビジネスを提供し続ける電子材料商社”になることを目指し、1)真のグローバル化、2)付加価値創造、3)経営基盤の強化、の3点に取り組んでいる。
これまでのところは、それぞれの項目が着実に進捗している状況だ。
業績目標としては、3年後の2021年3月期に売上高2,500億円、経常利益80億円を目指している。
これらの数値は前回の目標値と同じだが、売上高のマーケット別内訳は大きく変わっており、AutomotiveとBroad Marketで過半を占める計画だ。
成長市場の変化に機敏に適応し成長につなげるというシナリオと言える。
この成長けん引役の変化は利益率の改善につながるため、売上高が首尾よく達成された場合には、利益は会社計画を上回ってくる可能性が高いと弊社ではみている。
3. 2019年3月期は増収増益を予想。
成長分野での上積みに期待
2019年3月期について同社は、売上高198,000百万円(前期比0.9%増)、経常利益6,300百万円(同3.5%増)と増収増益を予想している。
その成長シナリオは2018年3月期と同じで、スマートフォン関連商材の一段の縮小を織り込む一方、自動車向けや産業機器等向けなどの商材が引き続き拡大し、成長軌道回帰を鮮明にするというものだ。
為替レートが前期比約6円円高の105円前提のため、増益率は1ケタ台にとどまっているが、今後の推移によっては上振れの可能性もあると弊社ではみている。
2021年3月期の中期業績予想に向けた初年度であり、成長エンジンとしての期待値が高まったAutomotiveとBroad Marketの売上をどこまで伸ばせるか見守りたい。
■Key Points
・成長市場の変遷の波を機敏に捉え、自社の業績成長につなげる力に強み
・“グローバルに高付加価値ビジネスを提供し続ける電子材料商社”を目指し中長期戦略に取り組む
・真のグローバル化、付加価値創造、経営基盤の強化、の3つの取り組みが、それぞれ着実に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
エレマテック (T:2715)は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。
2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した。
その後2011年度に豊田通商 (T:8015)グループ入りした。
1. 2018年3月期は中小型液晶用部材の減少を自動車向けなどでカバーし、増益で着地
同社の2018年3月期は、売上高196,238百万円(前期比3.3%減)、経常利益6,085百万円(同14.5%増)と減収ながら増益で着地した。
主力商材の中小型液晶ディスプレイ向け材料が、スマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けて大幅減収となったが、自動車向けや産業機器等向け商材、黒物家電向け商材など他の分野で売上げを伸ばした。
スマートフォン市場向けの減収インパクトを完全に吸収しきれず減収となったが、利益面ではプロダクトミクス(製品構成)の変化により利益率が改善し、計画を上回る増益となった。
仕入側・販売側双方の多数の顧客と、幅広い商材及び成長市場の変遷を素早くキャッチする適応力の高さという同社の強みが、遺憾なく発揮された決算であったと言える。
2. グローバル化と付加価値創造を核とした中長期戦略は順調に進捗中
同社は中長期戦略として、“グローバルに高付加価値ビジネスを提供し続ける電子材料商社”になることを目指し、1)真のグローバル化、2)付加価値創造、3)経営基盤の強化、の3点に取り組んでいる。
これまでのところは、それぞれの項目が着実に進捗している状況だ。
業績目標としては、3年後の2021年3月期に売上高2,500億円、経常利益80億円を目指している。
これらの数値は前回の目標値と同じだが、売上高のマーケット別内訳は大きく変わっており、AutomotiveとBroad Marketで過半を占める計画だ。
成長市場の変化に機敏に適応し成長につなげるというシナリオと言える。
この成長けん引役の変化は利益率の改善につながるため、売上高が首尾よく達成された場合には、利益は会社計画を上回ってくる可能性が高いと弊社ではみている。
3. 2019年3月期は増収増益を予想。
成長分野での上積みに期待
2019年3月期について同社は、売上高198,000百万円(前期比0.9%増)、経常利益6,300百万円(同3.5%増)と増収増益を予想している。
その成長シナリオは2018年3月期と同じで、スマートフォン関連商材の一段の縮小を織り込む一方、自動車向けや産業機器等向けなどの商材が引き続き拡大し、成長軌道回帰を鮮明にするというものだ。
為替レートが前期比約6円円高の105円前提のため、増益率は1ケタ台にとどまっているが、今後の推移によっては上振れの可能性もあると弊社ではみている。
2021年3月期の中期業績予想に向けた初年度であり、成長エンジンとしての期待値が高まったAutomotiveとBroad Marketの売上をどこまで伸ばせるか見守りたい。
■Key Points
・成長市場の変遷の波を機敏に捉え、自社の業績成長につなげる力に強み
・“グローバルに高付加価値ビジネスを提供し続ける電子材料商社”を目指し中長期戦略に取り組む
・真のグローバル化、付加価値創造、経営基盤の強化、の3つの取り組みが、それぞれ着実に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)