アジア時間金曜日午前の株式市場は、米中貿易交渉が難航しているという見方が強まったが、上昇となった。
米国のウィルバー・ロス商務長官は木曜日のCNBCでの取材に対して、米中間が合意に至る可能性は「大いにある」、両国とも貿易戦争の終結を望んでいると答えた一方で、両国間の貿易は滞っているとの懸念を表明した。
「貿易は非常に複雑。膨大な問題が存在している」と同氏は答えた。
同氏は続けて、中国政府は大豆や天然ガスといった米国製品をどの程度輸入できるのかなど、比較的「容易な」貿易協議を進めていると発言した。
一方同氏の発言とは矛盾して、ローレンス・クドロー大統領経済諮問委員長は、トランプ大統領は貿易交渉に楽観的な意を表しているとともに、1月の雇用統計は大きく改善しているだろうと発言した。
日本時間午前11時16分時点でのアジアの株式市場では、中国の上海総合指数、深セン総合指数はともに前日比0.6%高で取引された。香港のハンセン指数では、同指数に多く割合を占めるテンセント・ホールディングス(Tencent Holdings Ltd) (HK:0700)が1%超上昇したことで、前日比1.4%高となった。中国規制当局はテンセントを含む2社のモバイルゲームの発売を認可した。
中国のメディアを監視している広電総局(SARFT)は、テンセントのモバイルゲーム2作品とNetEase Incの1作品を含む、95作品のゲームを木曜日に認可した。
同規制当局からのテンセント製品への認可は約1年ぶりであり、前回の認可は2018年3月にさかのぼる。
同社が認可を取り付けたゲームは「Wood Joints」と「Folding Fan」の2作品であり、これらは教育向けのゲームとなっている。同社製品への認可の報道が流れ、今日午前の株価は上昇することとなったが、アナリストや業界関係者は同社への収益にはあまり貢献しないと発言している。
一方で、日経平均株価は午前の取引で前日比1.1%高となった。スバル(T:7270)は約3400人の従業員に対して、2年間にわたる残業代の未払いを発表したが、株価は1.1%値を上げていた。
なお、韓国総合指数は前日比1.0%高、オーストラリアのS&P/ASX200指数は0.8%高となった。