■2018年は弱さが目立ったマザーズ指数マザーズ指数は2018年の1年間で3割以上下落、特に年末にかけて下げ足を速めました。
終値ベースの高値(1月24日、1355.55pt)から安値(12月25日、757.02pt)までの下落率は44%に上ります。
米中貿易摩擦の激化など海外情勢への懸念と米国などの金融引き締め(金利引き上げ)による成長株からの資金流出、またマザーズ指数への影響度が大きい銘柄が業績、株価ともに振るわなかったことが背景として挙げられます。
2019年に入りマザーズ指数はやや持ち直しましたが、直近ではそれまでマザーズ市場で時価総額トップだったサンバイオ (T:4592)の株価急落とともに大きく値を崩したことが話題となりました。
国内では10月の消費増税、海外では英国の欧州連合(EU)離脱、米国のねじれ議会下での政権運営などの不安材料があり、引き続き投資家心理の本格的な改善は望みにくいところです。
一般的にマザーズ銘柄に代表される成長株は株価の大きな上昇が期待できるものの、株価変動が大きいためハイリスク・ハイリターンとされています。
また、サンバイオ株急落時に見られたように、成長期待の高い銘柄でもマザーズ市場全体のムードが悪化するとつられて株価下落してしまいます。
■マザーズ指数の下落局面でも利益が得られるマザーズ先物こうしたマザーズ指数の下落局面でも活用できる投資商品として、「マザーズ先物」があることをご存知でしょうか?マザーズ先物はマザーズ指数の動きに連動する投資商品です。
先物は「先に売って、後で買い戻す」といった取引が可能であり、売った時点から買い戻した時点までにマザーズ先物価格が下落(=マザーズ指数が下落)していれば利益が得られます。
引き続き国内外の政治・経済情勢への懸念が強まる場面や、マザーズ市場に上場する主要企業の決算への警戒感が強まる場面ではマザーズ指数の下落が予想されるため、マザーズ先物の売りで利益を得る投資戦略が考えられます。
また、マザーズ指数の下落が目立った2018年もUUUM (T:3990)やオイシックス・ラ・大地 (T:3182)、弁護士ドットコム (T:6027)のように時価総額を大きく増やした銘柄が存在します。
「こうした成長企業に投資したいけれど、マザーズ市場全体の株価下落は怖い」といったことはありませんか?このようなとき、成長が期待されるマザーズ銘柄を買うとともにマザーズ先物を売れば、マザーズ市場全体の株安局面において株式の損失を先物の利益でカバーすることができます。
つまり成長企業の株価上昇に期待しつつ、マザーズ市場全体の株価下落リスクをある程度軽減することができるのです。
■夜間取引可能なことなどから活用広がるほかにもマザーズ先物は大きく2点の特徴を持っています。
(1)高い資金効率想定元本より少額の証拠金で取引できるため、高いレバレッジ効果が期待できます。
(2)夜間でも取引可能取引開始は朝の8時45分で、終了は翌朝5時30分になります。
こうした特徴は、先に述べたようなマザーズ先物の活用において大きな意味を持ちます。
例えば、マザーズ指数への影響が大きい銘柄で株式の取引終了後にネガティブな材料が生じた場合、ひとまずマザーズ先物を売ることで当該銘柄の株価下落による損失をカバーすることができます。
実際、前述のサンバイオが1月29日の取引終了後に開発薬の試験結果速報を発表すると、マザーズ先物には同社の株価下落を見越した売りが多く出ました。
マザーズ先物は2016年7月に取引が始まりましたが、参加者が徐々に増えて取引高は増加傾向にあります。
皆さんもより良い投資へマザーズ先物を活用されてはいかがでしょうか。
2月1日には、東証マザーズ指数先物取扱い会社(岩井コスモ証券、インタラクティブ・ブローカーズ証券、SBI証券、岡三オンライン証券、カブドットコム証券、光世証券、松井証券、楽天証券)で「マザーズ先物を活用した投資戦略」の動画が掲載予定ですので、皆さん是非、ご覧になって下さい。
フィスコマーケットレポーター 橋本真依