米中両国が合意をとりまとめる作業に入ったとの報道を受けて、21日午後のアジア株式市場は上昇した。
合意に向けた大筋が、協議の中で話し合われていると、ロイターは関係筋の話として報じた。しかし、中国は自国経済へ構造的な変化をもたらす問題に関しては、ドナルド・トランプ米大統領の要求を満たしていないとのこと。
また、両国は主要な構造問題で6つの覚書を準備しており、技術移転や非関税障壁を含んでいるとのこと。
これらのポジティブな報道に対して、関係筋の1人は、交渉がまとまらない可能性もあると指摘している。
米中両国は3月1日の交渉期限までの合意を目指している。期限までに合意に至らなかった場合、中国製品2000億ドルに対する関税を10%から25%に引き上げることをトランプ大統領は述べている。
これらの報道を受けて、アジア株式市場は上昇。中国の上海総合指数と深セン総合指数はそれぞれ0.9%、1.7%高となっている。香港のハンセン指数は0.8%高となっている。
中国のレノボ(HK:0992)は、予想を上回る第3四半期利益を発表し、株価は10%以上上昇した。これは、約10年間で最も上昇幅が大きかった。
日経平均株価は0.4%高。2月の日経製造業PMIは2016年8月ぶりに50を下回った。しかし、貿易協議のニュースによって、今回の結果は注目されておらず、株価への影響は少ない。
他方、韓国のKOSPIは0.1%高。サムスン(KS:005930)は折りたたみスマホ「Galaxy Fold」を含むギャラクシーの新シリーズを発表した。
オーストラリアのASX 200は0.7%高。20日、オーストラリア統計局によると、1月の雇用者数は前月比3万9100人増となり市場予想である1万5200人を上回った。
1月のFOMC議事録では、米国内の景気減退が懸念される中でFRBが利上げを据え置くことが示唆された。このことを受けて、本日午前の取引で議事録は注目を集めた。
バランスシート政策に関しては、「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」と記された。