前日の米国市場は、FRBの金融緩和への期待と原油高などで上昇し、主要3指数が揃って上昇した。ホルムズ海峡でタンカーが2隻攻撃を受けたニュースは、世界経済減速懸念による原油安を追い払って原油高を招いている。ポンペオ米国務長官は攻撃へのイランの責任を指摘し、イランは即座に根拠のない主張だと米国を非難するなど両国の緊張が高まっている。安倍総理のイラン訪問との関連性は確認できていない。
ブロードコム (NASDAQ:AVGO)は市場予想を下回る四半期決算を発表し、売上高見通しを引き下げたことで、時間外取引で株価が急落している。これを受け東京エレクトロン株式会社 (T:8035)も下落している。
午前11時35分時点の日経平均は2万1098円と上昇。6月限先物のSQ速報値は21060.56円だった。米10年債利回りは2.088%と0.17%低下し、ドル/円は108.60円と若干円高気味に動いている。上海総合株価指数は0.13%安、ドル/人民元は0.04%高、ドル/ウォンは0.15%高となっている。
後場の日経平均はSQ値を意識した動きだろう。米中貿易戦争への懸念は引き続き続いており、上値は重いが下値も堅いという相場環境はG20まで続く可能性がある。来週にはFOMCも控えており、投資家は結論が出るまでリスクがとりにくいため様子見姿勢を強めるだろう。とはいえ買い方としてはSQ値を超えて本日は終了したいため、その攻防となるだろう。
本日は米小売売上高とミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。利下げを意識させる発言があるかが注目されるFOMCの前だけに、結果への関心が高まっている。