前日の米国市場はFOMCでの利下げ示唆を受けて主要3指数揃って大きく続伸した。S&P 500は史上最高値を更新し、ダウ平均株価、ナスダック総合指数も最高値更新までわずかのところまで迫っている。
パウエルFRB議長の利下げ示唆によって、米10年債利回りは一時2%を下回るも午前10時57分時点では2.004%となっている。ドラギECB総裁の金融緩和の示唆以来、欧州各国の国債利回りは低下し、独10年債利回りは-0.315%、仏10年債利回りは0.014%となっている。日本10年債利回りは-0.179%と低下が止まらない。昨日の黒田日銀総裁の発言で-0.2%という長期金利の下限が絶対的なものではないとの認識が市場で広まり、低下に拍車がかかった。
ドル/円は107.14円と大きく円高が進行し、ユーロ/円や豪ドル/円などでも円高が進行している。昨日の黒田日銀総裁記者会見では従来の「物価安定のモメンタムが失われる可能性があれば躊躇なく追加緩和を検討する」との発言はあったが、追加緩和に関して新たな示唆は特になかった。円高進行を止める材料も特になく、節目の107円に近づいている。
日経平均は円高の中で反落し2万1412円となっている。円高が進む中では後場も上値は重いだろうが、安易に売れる状況でもない。テクニカル的にいえば昨日の日経225先物の下値は2万310円であり、ここを下回らなければ上昇に向かうはずだ。日経平均でいえば2万1350円あたりであり、このラインが一つの目安となるだろう。
その他では、米国とイランの緊張が高まり、原油価格は上昇し、8月限WTI原油先物は0.58高となっている。上海総合株価指数は0.40%高、ドル/人民元は0.02%安だ。